ACT3 BLACK DOG
〜黒き獣はラムの夢を見るか〜

                                                       6.<マイト>の決意

戦闘を終えた”悪魔憑き”たちが知る事件の真相とは。


■戦闘を終えて

ビスマルク:初めての戦闘にしてはやるじゃないか。真白を満足そうに見る。そして、俺は元の犬の姿に戻る。
大馬:え…、倒したの?俺が”悪魔化”した意味は?ただこの後全裸になるというリスクだけが残ったような…。
GM:変身しなければ、素子を屋上から外へ出せませんでしたから、意味はありますよ。
大馬:見事な戦いっぷりだったぜ。ふふん、さすがセラフィムがビスマルクにつけたパートナーだ。
真白:ありがとうございます。これが初戦だったのですが、足手まといにならなくてよかったです。
大馬:あの犬はどうも実力より口先の方が先行しているからな。
真白:あはは…。

ビスマルク:よし、撮影は終了だな。真白、お前は主演女優賞並みの活躍だったぞ。とっとと、そいつを≪魔種吸引(キャプチャー)≫して仕事を完了させようぜ。
GM:≪魔種吸引(キャプチャー)≫は真白にお任せします。バルディッシュは「気絶」状態ですが、しばらくすると目を覚まします。話しかけるのでしたら目覚めるのを待ちましょう。
真白:”悪魔化”を解いて。気になることがあるので少し待ってくれませんか?バルディッシュが目を覚ますまで待ちます。
ビスマルク:そうだな。事件を起こした目的も確認したいからな。
大馬:これがセラフィムから依頼された一件か?ふふん、結局巻き込まれちまったか。こいつ(バルディッシュ)、目を覚ました途端、逃げたりしないか?屋上を囲っている金網の前に立っておもむろにガリガリッと引きはがす。引きちぎった金網をバルディッシュに巻きつけて動けなくする。
GM:おおー、いい演出だね。これで安心して待機できますね。大馬豪快だな。

ビスマルク:俺はその間になにか着る物を探してくるか。大馬を見る。
GM:そうですね。待ち時間で大馬の”悪魔化”は解けてしまいますね。
大馬:よろしく頼むぜ。なるべくセンスのいいやつをな♪
ビスマルク:大馬にニヤリと笑みを見せる。
GM:今回は美女の前で「まっぱ」を披露する事になるのでしょうかね?
大馬:”お約束”みたいな感じにしないで。
GM:ビスマルクは屋上を出ました。バルディッシュが目覚めるまで、少しお待ちください。


■クック屋上へ

GM:お待たせいたしました。クックの場面を再開します!

体育館2階の機械室の扉を開け、外へ出ようとすると、はぁはぁと呼吸を整えている女の子が立っていた。
「笹見先生、た、大変です。素子が大きな犬に追われて屋上に…。今、真白さんが、あっ、真白さんは近くの喫茶店の店員さんですが、大型犬を連れて素子を助けに向かっています。先生、助けて!」
生物部部長の佐絵子が慌てて機械室に入って来た。
「分かりました。警備員に連絡をして至急屋上に向かわせます。あなたは危険ですから屋上には近付かないでくださいね。そうですね、理科室で待機してください」
宗男は佐絵子に言う。
「理科室でもちょっとした騒ぎがあって、今は休憩中なんです。先生、大至急お願いしますね!」
また慌てて佐絵子は機械室を出て行く。
「どうやら、クックさんが感じた気は屋上からのようですね。セラフィムの方が向かったようですが心配です。クックさんも大至急屋上に向かって頂けますか?」
宗男はクックに頼みます。

クック:承知いたしました。しかし、大きな騒ぎになっているようですねぇ…。
GM:クックが屋上へ向かう途中に次の場面に出会います。

校舎入口付近で、佐絵子が誰かと話をしています。相手はクックが助けに向かうはずの素子です!
「素子!あなた大丈夫だったの?」
佐絵子は素子の姿を見て驚いている。
「うん、なんとか平気でした。なぜか真白さんとマユのお父さんが助けにきてくれましたから」
と素子。
「それから、心配かけといてこんな事言うのもなんですけど、あたし、これから咲江と体育館で待ち合わせしてるんです。ちょっと理科室抜けさせてもらいますね!」
素子は体育館の方へ向かった。佐絵子が声をかける間もなく素子は去っていく。

GM:クックは素子が屋上から脱出出来た事が確認出来ました。
クック:も、素子さん復活早すぎませんか?そして逞しすぎ(笑)。
GM:いや〜、最近の女子高生は立ち直りが早い(笑)。
クック:屋上に向けてダッシュ、ダッシュー。変に賑わってるんでしょうねぇ。


■“悪魔憑き”集結

GM:場面は変わって屋上入口付近です。素子が屋上から出た事で、心配して集まっていた生徒たちの数は減っている。まだ撮影をしていると思い込んでいる生徒が数人残っている程度です。
クック:数人…ですか。これはもう大々的な記憶消去は無理ですね。みんな映画撮影で納得したんだ…。
GM:「静かになったじゃん。もう撮影終わったんじゃないの?」「特撮映画かしら?ねぇ中見える?」「さっき大きな犬が出てきたけど、なんだったのかしらね?」といった声が聞こえる。
クック:生徒の足下をすり抜けて屋上の扉を蹴っ飛ばして騒いでる1人の生徒の足下へ行き、≪記憶操作(マインドコントロール)≫いたします。
GM:『衝動』1点蓄積で第四段階にリーチがかかりましたね。
クック:体をかけ登って肩の上にちょこんと座り、翼を広げて指示すると、うつろな眼になった少年はクックを肩に乗せたまま、人並みをかきわけ屋上へ続く扉を少しあけさせたところで最終能力、≪悪魔の咆哮(デモニックハウル)≫。
GM:おおーっ、ここで使ってきましたか。こういったキャラクターの特性を生かした演出は大好きです。屋上付近にいた生徒たちが次々と気絶していきます。そして、目が覚めた時には、何が起きていたのか理解できない事でしょう。
クック:数人とはいえ、これ以上傷口を広げてもなんですから、眠っておいていただきましょう。

GM:屋上には“悪魔憑き”の<マイト>が2体と、その足元に金網でグルグル巻きにされた何かがある。

クックは“悪魔憑き”の識別を行う。

GM:大馬はクックに理科室で会っているので、クックの正体は知っていますね。
大馬:よう、クック。俺だよ、伴大馬だ。これが俺の”悪魔化”した姿だよ。ふふん、これで役者が揃ったってわけか?
ビスマルク:おい!まだ俺がそこにいないぞ!
クック:大馬さん?ということはそちらがセラフィムの真白さんという方でしょうか。
真白:はい。正確にはセラフィムに派遣された近所の喫茶店のオーナー、ですが(笑)。
大馬:”悪魔憑き”同士よろしく頼むぜ。娘の繭がこの学園の生徒なんだ。
クック:何があったかは存じませんが、騒ぎを大きくしすぎではないですか?悪魔憑き…、あまり大っぴらにしていいことではありませんよ?
大馬:頭を指でポリポリ掻きながら。俺たちが駆けつけた時にはすでに大騒ぎになってたもんでね。
これでも誰にも目撃されないように努力はしてみたんだがね。
クック:そして目線を金網に移す。その金網で巻かれた物が彼の獣ですか?金網で巻いたのも貴方が?
大馬: ああ。こいつが気絶から覚めた時に逃げ出さないようにな。学校の設備を破壊しちまったのはまずかったかな?まあ娘の学費はきっちり払ってるんで勘弁してくれ。ふふん。
クック:そういう訳にはまいりませんよ。それとこれとは話が別物でしょう?宗男さんにどういう理由で学園に修理要望させるおつもりです?きっちり請求させていただきますよ。
大馬:おっとごめんよ。修理代の請求はセラフィムに頼むんだな。それが駄目なら鏡弁護士を通して”紅虎組”に請求してくれ。


■“悪魔化”の後で

GM:このタイミングで二人の変身が解けます。真白は全身ビショ濡れの格好に、大馬に至っては裸体を披露します。
大馬:びしょ濡れの美女と全裸の男か…。この状況はなんとかアダルトビデオの撮影で押し切れないか?
クック:その発言には冷ややかな目線をあげましょう(笑)。
真白:濡れたジャケットって重くて痛いんですよ。
GM:そして、金網に巻かれている”悪魔憑き”も徐々に元のセントバーナード犬の姿に戻ります。やがて口元がピクリと動き、小さな唸り声が発せられ、ゆっくりと両目が開かれます。鮮やかな赤い両目が…。

赤い両目―クックは忘れもしない、嵐の晩の暗闇に光る、あの眼光を…。

クック:3日前、飼育小屋を襲ったのはあなたでございますか?
GM:「くっ、この網を外せ!私を解放しろ!」セントバーナード犬は束縛され自由にならない身体に苛立つ。「私は今日、初めてここに来たのよ。我が子を連れ戻すために!」キッ!とクックを睨みます。
クック:ふむ…。貴女ではない、となると困りましたねえ。翼を口元へやり、ふぅとため息。そうトゲトゲしい目線を向けないでくださいな。理由如何によっては、手助けしてあげれないこともありませんよ。全て話してくださいな。何故、子供を連れ戻す事と素子さんがつながるのかを。

GM:「私の邪魔をしておいてなにを言うか!…くっ、だけど、私の身体も限界のようだわ」セントバーナード犬は先程の戦いでのダメージが大きく、とても動ける状態ではないようです。

「悔しいけど、子どものためには何にでもすがりたい…。私の名前はジュリー。貴方たちに助けてほしい…。私の子どもは悪しき双子に連れ去られたの…」
ジュリーは話し始める。
「私は横浜の野良犬です。“悪魔憑き”の私は保健所にも保護される事はありませんでしたが、生きていくために裏社会を渡り歩いてきました。ある時、”デビルズ・ネスト”と呼ばれる組織の仕事に関わったのです。そこで私は双子の少女と出会いました。彼女たちの起こす事件に目的などありません。混乱と破壊をなによりの快楽としていました。そして今回、彼女たちが狙ったのが『私立桃ノ花女子学園』。そうです、この学園です。私が誘いを断ったために、子どもを危険な目に会わせる結果になってしまうとは…。そして、私が学園に乗り込んだ事で彼女たちの望む『混乱』を演出する事になってしまって…」
ジュリーは君たちに必死で訴える。
「早く彼女たちを止めないと、この学園も危険です!」

各PCは”デビルズ・ネスト”について知識があるか判定を行う。

クック:”デビルズ・ネスト”…。比奈子さんから聞き及んではいましたがまさかこの学園に入り込んでいようとは。
真白:全く分かりません(笑)。
大馬:鏡さんに聞いたことあるぜ。横浜の双子…。素子ちゃんと咲江ちゃんが”デビルズネスト”の”悪魔憑き”だっていうのかい。家にも遊びに来たこともあるいい子たちだぜ。
クック:なるほど、それで素子さんを。確か彼女達も横浜から来られたとか、ちゃんと言動は符号するようですね。いくら大馬さんに助けられたとはいえ、普通の学生さんがこういう事態に遭遇したにしては、立ち直りが早すぎると訝しんでいたのも確か。彼女達なら理科室へ悪魔憑きの鳥を誘導することも容易い事でしょうし。となると、飼育小屋を襲ったのは貴女の息子さんという訳ですか。
GM:「私の子どもはまだ小犬ですし、動物を襲ったりはしない筈です。きっと彼女たちの仕業に違いありません。双子の妹、咲江はヴォージェ【キマイラ】です。悪魔化すると狼の様な姿に変わります」。「そして、普段はカラーコンタクトを入れて誤魔化していますが、彼女の両目は鮮やかな赤色です。咲江の悪魔的特長は私と一緒なのです」。
大馬:ん?さっきたしか教室で「咲江ちゃんの目が赤い」とか言っていたな…。
GM:「姉の素子も当然”悪魔憑き”です。彼女はモリオン【シャーマン】です。屋上の状況も≪思考転送(センディングマインド)≫で咲江に伝えていた事でしょう。そして、これから起こす事件の手筈も…」とジュリーは3人に伝えます。
クック:ヴォージェとモリオンですか。まずいですね、『衝動』が相当やばい。さっき遊ぶんじゃなかった(笑)。

クック:翼をバサッと広げて口元へ当て思案顔。これはいけません。彼女たちは今、人の大勢集まっている体育館にいます。
大馬:ちぃ、まずい!繭が咲江と一緒だ!
クック:この混乱に乗じて何かをするとすれば、またとない機会ではないでしょうか。大馬さん、真白さん、急ぎましょう。悪い予感がいたします。
真白:ええ。
大馬:今行くぞ!繭。…って、いかん!俺は全裸じゃねぇか?!ビスマルクの奴まだ戻ってこないのか!しょうがない、クックに翼を広げてもらって股間にあてがうか。
GM:どこのナイトショーだよ!
大馬:この場面のカメラワークは「真白舐めの大馬」、「クック舐めの大馬」という具合にうまく大馬の股間が隠されている感じと思いねぇ。

裏コメント:”悪魔憑き”は”悪魔化”の後始末が大変ですね。


■≪魔種吸引(キャプチャー)≫

クック:真白さんは≪魔種吸引(キャプチャー)≫はなさらないんですか?
真白:あ、忘れてました。まだ間に合いますか?
GM:いつでも出来ますよ。
大馬:待ってくれ。ジュリーって言うのかい?お前さんはもとは<マイト>だったんじゃないのかい?”デビルズネスト”の奴らの所為で「暴走」の果てに<ヴィシャス>になっちまったってところか…。正直俺としては≪魔種吸引(キャプチャー)≫するのは気が引けるぜ。
GM:「あなた、優しいのね…」。ジュリーは大馬に言う。「でも、私もこの先、自分を抑えられるか、自信がないわ。裏社会でも<ヴィシャス>化した<マイト>を何人も見てきたわ。いっその事、”悪魔寄生体”を駆除して普通の犬に戻った方が幸せかもしれないわね」。
大馬:後遺症が残るかも可能性は…わかってるんだよな。ふふん、安心しな。お前さんに万が一の事があっても子供たちの面倒はセラフィムでみるぜ。
GM:「普通の犬に戻っても私があの子の母親である事に変わりないもの。あの子の事は守れるわ」。そして、真白を見て「どうぞ、≪魔種吸引(キャプチャー)≫してください」と言った後、静かに目を閉じる。≪魔種吸引(キャプチャー)≫の判断は真白に任せます。
大馬:真白を見て頷く。<ヴィシャス>を放置する訳にはいかねえな。ジュリーから目を逸らせて頭をぽりぽり掻く。
ビスマルク:大馬。シリアスに決めてるところ悪いが、お前全裸だということを忘れるなよ。
真白:…分かりました。正直私も気が引けるのですが…、貴女が<ヴィシャス>である以上、見逃す事はできません。ジュリーの頭を撫でるように手を置いて≪魔種吸引(キャプチャー)≫します。
GM:ジュリーの頭部の傷口から、外に引きずり出された“悪魔寄生体”は結晶化した。取り出された結晶「魔結晶」は二つ。「経験値」10点の「魔結晶」と、≪威力蓄積(パワーチャージ)≫の「魔結晶」です。二つの「魔結晶」は鮮やかな赤色です。

ジュリーは後遺症により視力を失う。普通のセントバーナード犬に戻ったが、それと引き換えに光を失った…。ジュリーは真白の暖かな手のひらを頭に感じ、その主の方を向き「クゥ〜ン」と弱く小さく鳴く。真白に向けられた瞳からは、もう赤い色は消えていた。

真白:優しくいたわる様に一撫でして手を離します。
ビスマルク:ありがとう。子どもをよろしく…。そう言っているぞ。
GM:うおっ、いつの間にか登場したな!
真白:分かりました。貴女の子供は私達が助けます。必ず!

大馬:後味悪いぜ…。結局こんな悲劇だけが繰り返されるのか。”悪魔憑き”事件を一つでも解決させるしかないってことか。やるぜ。その双子の”悪魔憑き”、ぶちのめしてやろうじゃねぇか。
真白:…私も同感です。この事件の元凶を叩きましょう!もう二度とこんな悲劇(こと)を繰り返させない。その為に、私達の力があるのですから!
GM:最終決戦に向けて皆さんの士気が高まりましたね!


■なんでまたハワイ

ビスマルク:口にくわえていた「HAWAIIANS」と書かれた袋を床に置いて話す。着替えを持ってきたぞ。お前に似合うと思ってな、買っておいたんだ。
大馬:ハワ…イ…アン?袋を開いて服を取り出す。
GM:大馬が取り出したのは黒地にベージュ柄の半袖アロハシャツです。ハイビスカス、パイナップル、ヤシの柄がシックに描かれています。他にベージュの半ズボン、黒のビーチサンダルが袋の中にある。更に袋の底の方には腰ミノとピンクのレイまで入っている!
ビスマルク:鏡(ビスマルクの飼い主の弁護士)と一緒に常磐方面に出張に行ってな、ちょっと寄ってもらったんだ。
大馬:お前はどこまでハワイが好きなんだ!…と言いつつアロハシャツと半ズボンとビーチサンダルは着用。
クック:大馬が「フラボーイ」になるんですね。
大馬:フラボーイ大馬です。

GM:これで役者が揃いましたね! では、みなさん。体育館へ向かいましょう!
一同:おう!



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