2002年春のOBOG会in東京(その2)

 なんとか品川に着いてチェックインした時は、もう既に夜11時近くだった。そして部屋に荷物を置いてフゥとため息をひとつつく−
ヒマもなく、急いで着替えて待ち合わせ場所に行かなくちゃ。ああ忙しい(笑)

 そんなわけで、ひさびさに会うこととなった知人と待ち合わせ。それでお酒飲んでくだくだと話していたら、あたしの携帯にキャオさんから電話が(正確には、最初かかって来たときには出られず、折り返しあたしからかけた)。
「あ、もしもしーキャオさんですねー?なつきでーす。さっき電話かけてくださったんですねー。気付かなくってすいませーん」
お酒入ってるもんだから、語尾がだらだらのびてます。そして、キャオさんはただ、明日の集合場所についてと、チロレンのデキが心配で電話してきただけだったのに、あたしってばだらだらと電話を引き延ばしたあげくに
「キャオさん今あたし酔っ払いなんですうーあははー」

・・・もうワケわかりません。キャオさんてば次の日は朝早く出なきゃならなかったはずなのに、あの時はすいませんでしたA^_^;

 で、翌朝。
 前日に知人とアルコールをちびちび飲(や)りながらいろんな話をし、また、それでいろんなことを考えさせられたのを思い出し、あたしは品川プリンスホテルの10階の客室の窓から、入れたての珈琲の入ったカップを片手に山手線etcの線路を見下ろしていた。

 −って、物語の主人公気取ってる場合じゃねえってあたし。ただ今午前10時20分。やべっ、寝坊だ〜!生演隊のみなさんとの待ち合わせは11時なのに。あと40分で東横線新丸子駅まで行けるのか?いや、かなり無理っぽい。ひええ。
 と思った矢先
ぶーん、ぶーん
あたしのケータイが鳴った(あたしの携帯は着メロは鳴らさず、もっぱらバイブです)。
”うわっ、きっと生演隊のみなさんのうちの誰かだっ。もうホテル出たか〜い?とかなんとか言われるんだきっと”
呼び出し音が鳴ってる間にすばやく着信を見ると、果たしてキャオさんからだった。それでスライディングで携帯に飛び付き
「なつきですすいませんごめんなさい今荷物整えたとこなんですう〜今そちらに向かいますう〜すいませ〜ん!」
一気にまくし立てるあたし。
 そんなわけで、荷物まとまってるなんて言っちゃったけどほんとは全然整わないまま、ただバッグに丸めて叩き込んでホテルをチェックアウトした。

 外は少々肌寒い。東京は今桜が満開って聞いてたけど、それにしちゃ寒いな。まあでもがまんできないほどじゃないし。
 あーあ、せめて朝シャワーしてから出たかったな。ついでに上野公園とかの桜の名所も行きたかったなー。って、そういうことを言うならもっと早く起きろよって感じ。しかもホテルの朝食券も結局使わないで出てきちゃった。あーあ、もったいない(笑)
 とボヤいてもしょうがないから、さっくりと気分を切り替えて電車に乗り込むことにする。ほんとはいわゆる名所で見たかった桜の花も電車の窓からちらほら見えて、まあこれでもいいかと微妙に心をなだめるあたし。でも、東横線に乗り換えて中目黒駅に停車した時、この駅ってば高架駅なんだけど、駅の下を通ってる川の両岸にずらーっと咲いてた桜並木がすげえキレイだったんだよね。弘前城の西堀をちょっとコンパクトにしたような感じ。
”うわー、きれーい”
遅刻寸前なのも忘れて桜に見入ってしまいました。上野公園には行けなかったけれど、も、いいや、これで十分。満足まんぞうです、あたし(笑)。

 ちなみにこれは後日談になりますが、6月1日放送のテレビ東京系「出没!アド街っく天国」では中目黒駅とその界隈が特集されてました。で、その番組を見てはじめてあたしはあの川の名前が目黒川だということを知りました。そして桜だけでなく、目黒川は四季折々に表情を変えて地元の人々の目を楽しませてくれる都会のオアシスなのだそうです。へえー。全然知らんかった。

 てなわけで待ち合わせ場所の新丸子駅に到着。すでに待ち合わせ時刻から30分オーバーしてました。生演隊メンバーの中で最年少のくせに、あたしってばいい根性してますf^_^;
 そしてそこにはすでにキャオさん、村重さん、つくいさんといった生演隊定番メンバーがいらっしゃった。それで
「すいません遅くなりまして−」
と駆け寄ろうとした瞬間、いつもの生演メンバーにプラスしてどこかで見たような顔に気付く。
 ええっと、ええっと、どなただったっけなー。えーと、そうだ思い出した。家政の−
と口にしようとした瞬間
「こちら、家政のたこちゃん。バイオリニストとして急遽メンバー入りしたから。」
そうだよ。たこちゃんさんだ。今や人妻たこちゃんさん。
「よろしくー」
「よろしくお願いしまーす」
お互いご挨拶するあたしたち。んで、
「そしたら、練習場所予約したから、そこ行こ」
てなわけで、練習場所−銀線堂というレコード屋さんに向かうことに。っても、向かうったって実は駅のド真ん前にあったんだけどね。それで
「いやー、駅のすぐ前でよくこんなうってつけの練習場所みつけられましたねー」
しかも、見つけた方は村重さんだかキャオさんだかで、地元在住じゃない人間だったらしい。ある意味なんかすごい(笑)。
 そんなわけで練習開始です。実は今日はじめて楽譜もらった曲なんかもあったりして(!)どうすんだあたしみたいなワンシーンもあったが、新ネタのチロレンは
「なつき美味しすぎ〜!」
と言われるほどオリジナルそっくり&美味しいとこ取りもいいとこで、周りからどつきの嵐だった(笑)。あたしってばまたも格段のご贔屓にあずかってしまいました。皆様ありがとうございますf^_^;
 やがて、時間の関係で銀線堂に直でいらっしゃることになってたいっしーさんが現れたので、ひととおり合わせた後、ここをあとにするあたしたち。今回はパーティ開始時刻に間に合いそう。そこで駅前からタクシーに乗ろうとしたが、あいにくと全然つかまらない。それでしばらくその場に立ち尽くしていたら
「ねえ。なんか寒くないです?」
「うん、寒い寒い」
そんなやり取りがはじまった。しかもあたし以外の5人みんな全員が同じこと言い出すし。それであたしは
「さ、寒いんですか?」
「そりゃー札幌の人間にはたいしたことない寒さかも知んないけど、俺等にはこたえるよー」

 そういやよく考えたら、あたし以外のみなさんは東京、神奈川、愛知、大阪と南からいらした方ばかり。
 いやあたしだって、この日の東京は想像してたよりも寒いなぁとは思ったけどさ。でもやっぱり、道産子の「寒い」と関東以南の方の「寒い」は全然違うなあと妙に実感したワンショットでありました。