旅のノート2

2−1.パタゴニアの昼は長い?

左の写真を見てください。これは1月22日21:15分に、パイネ国立公園で写した物です。21時でもまだこんなに明るいのです。たかだか南緯52度程度の所で、白夜でも有るまいし変だなーと思って調べてみました。


 先ず夏時間で1時間、時間を進めている。その上GMTで「ー5時間」の時間帯に有るのに「ー4時間」としている。私達の感覚からすると、都合「2時間」、時間を進めていることに成ります。
つまり上の写真は私達から見ると、19時15分に相当する時間に撮ったことになります。夏・高緯度と考えれば納得できます。別に昼が長いわけではないのです。その証拠に、日の出は現地時間で7時くらいでした。

 それにしてもこの時間には、中々馴染めませんでした。トレッキングへの出発が9時。17時頃には未だ山の中を歩いている。夕食が20時30分頃に始まり、終るのが22時頃。部屋に帰りシャワーを浴び、荷物の整理をすると23時過ぎ。早く寝なければとなってしまう。実にせわしないです。
でも太陽の動きに対しては2時間早く行動していますから、早起きをしています。だからパイネもフィッツロイも、凄い朝焼けが見られました。

2−2.パタゴニアの風

東北の冬の強風にはなれています。バスが田圃に転落する事も有ります。だけどあの風は又別物です。

1月19日:プンタアレーナス。折角ここまで来たのだから”マゼラン星雲とカノ   ープスを見たい”と思って海岸に出ました。突然物凄い風が吹き出しました。星野写真を撮りたいと思うのですが、カメラが三脚ごと倒されてしまいます。写真どころでは有りませんでした。でもマゼラン星雲・カノープス・倒立したオリオンが見られました。
おまけに昇って来た月の光に輝くマゼラン海峡に感激する事が出 
来ました。帰路は、風に向かってなど歩けたものではありません。後ろ向きに、何度も立ち止まって、ホテルにたどり着きました。
でも途中にあったレストランは夜中の1時だと言うのに、大賑わいでした。

1月22日:グレイ湖。グレイ氷河と湖に浮かぶ氷山を見ようとして岬の先端を回りこんだ途端に、ドカーンとやってきました。風に向かって立ってなど居られません。湖畔の砂浜(モレーンです)の砂が飛んできて、容赦なく目に入ります。木陰に入って風よけするのが得策。ほうほうの態で逃げ出しました。
所で、こんな所で何故フイルムの交換をしてしまったのでしょう。馬鹿な事をやった物です。砂粒がカメラの中に入ってしまい、以後の撮影したフイルムには、バッチリと傷が入ってしまいました。

1月22日:夜中強風が続く。翌朝女房曰「台風なんて優しい風だね。3時間 もすれば収まるんだから。」全くそのとおりだ。
でも強風が雲を追っ払ってくれたお陰で、「べっ甲飴」のような朱色に染まったフィッツロイが見えました。

木の枝が強風で風下側にのみに伸びている。ブラシツリーと呼ばれている。

背景色は、氷河から流れている水の色”グレイシャーミルク”を取り出しました。