そ よ 風 に 乗 っ て (マネージャーの独り言)
吉沢 武久
2021年も残すところあと一ヶ月です。今年はアトリエ作者の干支、丑年でした。来年は私の干支、寅年です。
二人とも70才を過ぎ、体力を始めとしていろいろな衰えを感じています。特に記憶力は認知症の入り口にいるの
では、と思えるほど弱くなりました。大事なことをすぐ忘れる、思い出せない、新しいことを覚えられない等々・・
年のせいにはしたくないのですが、この年代になれば仕方がないことかも知れません。
そんな二人ですが、作者の記憶力で感心することがあります。バーミリオン、カーマイン、ビリジャン、テールベ
ルト・・・このわけの分からぬカタカナ語は108個も続くのですが、作者はその108個を全て覚えていると言う
のです。このホームページを見ていて下さる方なら、多分このカタカナ語が何を表しているのか、ご存じでしょう。
そう、ホルベイン透明水彩絵具の108色の色の名前なのです。
ホルベインというので外国製かと思ったら、大阪に本社のある日本の画材会社のものでした。作者が担当している
水彩画教室では、このホルベインの30色セットを主として使用しています。生徒さんにはこの30色セットを紹介
し、更にその30色の名前を覚えるようお願いするらしいのです。自分は108色を覚えているのだから、30色を
覚えるのは、そんなに難しいことではないと思っているのかも知れません。
私は中学卒業後、絵を描いたことがないので、赤・青・黄色・緑にピンク・紫・白・黒・・・と12色セットの
絵の具しか使ったことがなく、それで十分でした。それにしても、私の好きな青(ブルー)がホルベインになると
プルシャンブルーを始めとして、ブルーと名が付いている色は12色もあるのです。これを全部覚えていると言う
のですから、驚きです。また、使いこなしていることも。ここまでは作者の記憶力を褒めておきます。
ここからは私の記憶力の話です。作者の108に対して私は100です。高校生の時でした。6才上の姉が購入
してきた百人一首に興味を持ち、競技カルタをするわけでもなく、歌の意味も理解せず、ただひたすら百首を覚え
たのです。若いときの記憶力は素晴らしく、それほどの時間を要せずに百首全て覚えました。この季節になると、
作者が良く描く紅葉も何首か詠まれています。
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき
今、百首全てを覚えているわけではありませんので、認知症予防も兼ねて再度、暗記に挑戦しましょうか。