そ よ 風 に 乗 っ て   (マネージャーの独り言)
                                          
吉沢 武久

第 30 回   主 張 す る 花   (2020年 11月 1日)

  今回コスモス特集号になってしまったので、私もコスモスのことを書かねばならなくなりました。(もっとも

 半分は私に責任があるようなので・・・)

  コスモスと言えば、昨年の10月、アトリエ作者の義姉一周忌で出会った信州のコスモスの美しさに感動しました。

 しかもそのコスモスは、義姉が丹精込めて作っていた、と聞いてなおさらでした。あの信州の美しかったコスモスを

 こちら豊橋でも咲かせられないかとの思いから、義兄(作者の実兄)にその種を送ってもらうことにしました。

  5年前豊橋市民農園を借りた理由の一つに、自宅のベランダでは不可能な花壇を作りたいという思いがありました。

 そして秋のコスモス畑をイメージして、一番真っ先に蒔いたのがコスモスだったのです。毎年それなりに花を咲かせ

 てくれますが、台風が来る度に倒されてしまい、思うようにはいきません。  

   今年は購入した種に加えて、作者の実家から送られてきた種も同じように蒔きました。今年から2区画借りることが

 できたので、いつもの2倍の面積をコスモスにあてることができました。4年間の経験から開花の時季を逆算して蒔く

 日もずらし、数回に分けて種蒔きをしました。信州とこちらでは気温も違うので、試行錯誤と実験の気分で行いました。

 怖いのは台風です。幸い、今年は上陸した台風もなく、例年のように倒れる被害にも遭わず、綺麗に咲いてくれました。

  卓球の練習帰りも含めて週に4回は畑に行けるので、その度に家に持ち帰ります。その切るときです。コスモス達が

 主張するのです。「私を選んで」「いいえ、私の方が綺麗よ」「何言ってるの、何てったって私が一番よ」・・・

  私が高校生の時、「バラが咲いた」を作った浜口庫之助さんが「花と小父さん」という曲を作詞作曲しました。その

 歌に「小さい声で僕に言ったよ・・・私を摘んでお家に連れてって・・・」という歌詞があります。私はその花のよう

 に控えめな花が好きなのですが、我が畑のコスモス達はいたって元気。その元気をもらいながら、「連れて行け」と言

 う花を毎回切り採って持ち帰ります。

  作者は折に触れ言います。「この花が描いてよ。描いてみたら、と主張するのよ」ふ~ん、と半ば聞き流していたの

 ですが、本当にそういうことってあるのですね。家に持ち帰ったのは、元気なコスモスが多かったのですが、控えめに

 そっと静かに咲いていた小さなコスモスは、畑に残しておきました。