そ よ 風 に 乗 っ て   (マネージャーの独り言)
                                         
吉沢 武久

第 3 回   ネ ー ミ ン グ  (2018年8月1日)

2009年8月の部屋から

   【 透 き 通 る 風 】

色づき始めたブドウ畑の中を風が通り抜けていきます。

その風は透明で透き通っていました。

  「そよ風のアトリエ」を毎月更新しているが、そこには幾つかの工程がある。最も重要なのは、作者が更新に

 必要な作品を仕上げることである。最低でも15の作品を描いてもらわないとページ編集に支障をきたす。逆算

 すれば、2日で1作品以上となるが、絵を全く描かない者にとって、このノルマがきついのか容易なのか分から

 ない。でも、過去16年間で200回以上も更新してきているのだから、無理な作業ではないのだろう。けれど

 毎月、月半ばになると、作品の出来具合を確認し、早めに仕上げるよう催促をしている。

  作品さえそろえば後の工程は、機械的に進めることができる。作品を写真撮影してパソコンに取り込む、トリ

 ミング、印刷、使用する作品の選択(作者と相談して)などという流れである。こうした工程の中でパソコンに

 取り込んだ作品に名前をつけて保存している。最初の頃は絵にあった名前、たとえば薔薇だったら(bara-1)と。

 でも作品数が多くなってくると、こうしたネーミングには限界を感じ、全て数字で保存することにした。今回の

 1作品は(180801)、2018年8月の01番目という意味である。

  逆に公開した作品にネーミングするようになったのは、2009年3月号(No.94)からである。当時はネーミン

 グした理由も添えていた。上の2009年8月の作品がその例である。

   作品のネーミングとその理由は、共に作者が記していたが、水彩画教室関連の仕事が増えてきて、ネーミングの

 協力をお願いされることも多くなった。最近では公開する作品が決まった時点で、そのネーミングは私の担当に

 なることが定着しつつある。本来なら作者が行うのが筋であろう。どんな思いで描いたのか、どんな作品を描こ

 うとしたのか、作者が一番よく知っているはずである。でも、締め切りぎりぎりまで作品創作に身を投じている

 作者を見ていると、手を貸さないわけにはいかない。

  よってこのネーミングが更新の中でも一番苦労し、時間がかかっている工程と言っても過言ではない。絵を見

 た第一印象を大切に、そして作者の心を推し量りながら、幾つかの候補名を考える。勿論作者自身に付けてもら

 うこともある。この工程でおおいに参考としている物に俳句の歳時記がある。また、作者と共に行くことの多い

 各種の展覧会では、私は絵よりも先にネーミングを見る。作品にマッチしたネーミングに出会うと感心させられ

 るが、描かれているそのものと同じ単純なネーミングも多いのは確かである。

  このアトリエでは、少し手間がかかるがより良いネーミングに心がけていこうと思っている。

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