かたちはかく貧しくみゆれど其の心のみやびこそいといとしたはしけれ。おのれは富貴の身にして何ひとつたらざることなけれど、むねに万巻のたくはへなく心寒く貧しく---これは時の藩主松平慶永が曙覧のすみかを訪うた時の率直な感想です。