マサラ日記     previous«  »next

5月18日(金)           

 夜、映画『パッチギ』をチラチラ見ながら原稿の仕事。

 時代背景がサマー・オブ・ラブ、サイケ、ラブ&ピースなのも私にはピッタリくる、いい映画だ。
 7、8才のガキの頃、タイガース、テンプターズ、スパイダースなどのGSが好きだった、あの時代のお話である。オダギリー・ジョーの登場シーンでインド音楽がチラリと流れるところなど、さすが井筒監督、芸が細かい。

 フォーク・クルセイダースというよりも、加藤和彦氏の書く曲のセンスは「あの素晴らしい愛をもう一度」ほか、昔から抜群だったことを再確認させられる映画でもある(北山修氏の詩ももちろんバッチリで、ほとんど怖いもの無し状態)。ミカ・バンドもいいのだが、ソロアルバムも素晴らしいのだ。

 けっこうヘビーなテーマを扱いつつも、説教くさかったり、妙に重たくならないところがいい。日本の映画だと、なかなかこういうのはないのだ。

 井筒監督だと、「タモリ倶楽部」で最初から最後まで単に飲みまくって酔いっぱなしの姿とか、「酒とつまみ」でのバカバカしいインタビューなども好印象。映画もいいが、キャラも好きだ。

【今回の取材で印象的だった目からウロコのご紹介H】


 これは、ダイエット食材として一部でもてはやされているガルシニア。インド、特に南インドではコカムとかコクムなどといわれて、シーフードのカレーなどによく使われる。乾燥させたみかんの皮のようなもので、これを水に浸けて少し揉むと、独特の酸味が生まれるのだ。ちなみにタマリンドとは異なる酸味である。


 このコカムを使ったカレーの一例。黒いものが三つほどカレーのグレービーの中に浮かんでいるのが、おわかりだろうか。サワラの仲間を使ったフィッシュ・カレーの調理風景である。魚の切り身を入れるところまで作っておき、オーダーが入ったら、ココナッツ・ミルクを足して軽くひと煮立ちさせれば、できあがりだ。いわゆるケララ風のフィッシュカレーというものになる。

 このコカムだが、残念ながら調理用としては日本でなかなか手に入らない。ぜひ現地で味わいたい味である。

日記を書いているときのBGM:ルースターズの12インチ・シングル『ニュールンベルグでささやいて』(1982年)。大昔にバンドをやっているとき、完全な敗北を感じた1枚。今聴いても、やはりスゴい。