マサラ日記     previous«  »next

5月20日(日)           

 昼間、久しぶりに個人のお宅に伺って、料理教授兼ケータリング。
 昔はよくやっていた仕事だが、最近はほかのことで多忙なこともあり控えていた。たまにはこういうのも、私自身のリフレッシュや精進になっていいものだ。

メニューは
・南インド流マトンカレー…お客様のリクエストに応じて調理。トマトとココナッツのベーシックな南インドカレーのレシピ。タミル庶民派の味わい。
・ムングとマスルのミックス・ダール…これまたベーシックな作り方のダール・カレー。
・ポテト・ロースト…簡単な野菜料理ということでご紹介。
・チャナ・チャット…豆と野菜のサラダ風メニューも欲しいなと思ってチョイス。ヒヨコ豆と夏野菜のサラダ仕立てだ。
・カードライス…ヨーグルトを使ったメニューのご紹介だが、いきなりマニアックな展開に? インディカ米にミルク、ヨーグルト、香菜などを和えこんだ南インドのバラエティ・ライス。
・シュリカンド…これもまたお客様のリクエスト。じっくり水切りしたヨーグルトを使ったクリーミーなデザート。もともとグジャラートなど、西インドの名物だ。
・チャイ…ミルク多め。茶葉は少なく、しかし、よく煮立てて。これがコツだ。

 細かく話をしながら作るので、やはり時間がかかったが、ただ淡々とやるよりはいいだろうと勝手に解釈している。
 総じて、お客様には喜んでいただいたようで、こちらもホッと安心。
 
 余談ながら、こういう具合に個人宅にお邪魔して話を伺ったりすると、皆さんそれぞれの食生活の特徴やライフスタイルのこだわりが垣間見えて、楽しく、また感心したりする。

 依頼があれば、こういうこともやりますので、よろしくお願いいたします。

【今回のインド取材で印象的だった目からウロコのご紹介I】

 コーチン、タージ・マラバールという五つ星ホテルの朝食ブッフェにて(こういうところは仕事でないと泊まれない)。


 真ん中は、ケララ名物の米粉のパンケーキ、カラッパムKALLAPPAM。ウタパムというタミルの変形ドーサに似ているが、酸味はあまりない。
 その手前の白いのは、これまたケララ名物の「シチュー」。白いカレーで辛くない。これはベジタリアン用だが、マトンやチキンのシチューもおいしい。
 こういう名物がさりげなく出る朝のブッフェはさすがという印象。
 
 南インドの軽食(通常ティファンと呼ばれる)というと、ドーサ、イドゥリなどが日本でも食べられるが、カラッパムは日本にはないはず。軽くてクセがなく、いくらでも食べられる味わいに感心する。
 シチューも軽く、ココナッツ・ミルクのコクが抜群でハマる味。2つの料理の相性も抜群。

 ちなみに奥のパスタ状のものは、マサラ・バミセリ・ウプマ。極細パスタのスパイス蒸し煮だ。これはタミル系の軽食。通常のバミセリ・ウプマは私の料理教室でも取り上げるが、これはさらにスパイスやトマトが強めに利かせてある。

 本場でないと食べられない味の数々に大満足だった。

日記を書いているときのBGM:ハイスピードなタテノリ疾走型ロックとレゲエ、ダブをモザイク状にミックスしたイギリスのパンク・バンド、ザ・ラッツのデビューアルバム(1979年)。けっして大物ではないが、奇妙にとっ散らかった感じが好きだ。