マサラ日記     previous«  »next

1月21日(日)           

 週末、東京は天気が悪いので料理教室もあるしイヤだなと思ったら、意外とオーケーな日和。何より寒くないのが助かる。

 料理教室の準備をしてから、出掛けに食事。昨日に引き続きレトルトのインド製カレー。本日のは、さる企業から以前サンプルとしていただいたもの。チェンナイで作ったイワシの南インド風カレーだ。ちょっと珍しい一品といえよう。

 湯せんで温め器に盛るとこんな感じ。


 原材料や賞味期限がパッケージに書いていないので何ともいえないが(そういうものをサンプルとして私に送ってくる日本企業の見識を疑う。当然そんなところと仕事はしない)、見た目としてはタマリンドの酸味とココナッツ・ミルクの甘味を前面に出した正統的南インドカレーと思われる。ちなみにカレー・リーフは入っていないし、ホール・スパイスもゼロ。粒のブラック・ペパーがゴロゴロ入っていた昨日の「キッチン・オブ・インディア」のチキン・チェティナッドとはえらい違いである。

 で、ご飯にかけるとこうなる。


 イワシはグズグズに崩れている。田舎のカレーみたいだ。
 で、一口食べて驚いた。塩がまったく入っていないような味。これはひどい。さっそくキッチンから粗塩を持ってきて味を調整し、ようやく食べられる状態になった。それにしても香りはないし、コクもない。イワシにくさみがないのはいいのだが、たぶんこれでは日本の購買層にはアピールしないだろう。

 このカレーはさる日本人シェフ(インド料理ではなく、ホテルのフレンチか何からしい)がインドに行って、現地関係者とコラボして云々とかいう商品らしいが、カレーの塩加減と最も基本的かつ重要なところで大失敗している。インドカレーをわかっていない人間がやるとこうなるといういい見本だ。

 こうしてみると、昨日のシェラトン・ホテル・グループのキッチン・オブ・インディアのシリーズは非常にレベルが高いといえる。バンガロールのMTRも同様で、こちらも十分日本のマーケットで通用する味だ。

 えらく変なものを食べた後、気を取り直して、阿佐ヶ谷で今年初めての料理教室。今回もほぼ満員の盛況。本場式のビリヤニの調理法をお見せするという目的は達成できたと思う。

日記を書いているときのBGM:THE CULTの『SONIC TEMPLE』(1989年)。ボーカルがジム・モリソンぽい。後のドアーズ再結成(?)の際参加したのも、ある意味うなずける(バンド後期、激太りしたところは共通だが、ジム・モリソンの代わりは誰も無理)。