マサラ日記     previous«  »next

1月13日(土)           

 何日か前、ニューアルバムが発売ということでノラ・ジョーンズの顔写真がインターネットにデカデカ出ていた。それをパッと見て、私が感じたのは
「あらっ、どこのインド人だろ」
 ということ。
 最近の彼女、加速度的に親父さん(いわずと知れたラヴィ・シャンカール)に顔つきが似てきているような気がしてならない。公式には親子関係を認めていないはずだが、少なくともインド系であることはもはや隠しようがないのでは?

 いい天気の土曜日だが地味に仕事。あーあという感じ。
 昼、讃岐うどん屋で「すだちうどん」というのがあったので、すかさずオーダー。私はインド料理に限らず(カレーやタンドゥール料理によくレモンを使う)、柑橘系を使ったものに弱い。
 で、出てきたものを見て、ちょっとがっかり。私の頭の中では、すだちのスライスがたくさんうどんの上にのっているのを想像していたのだが、実際に目の前にあるのは、ワカメやトロロ昆布、かまぼこなどを具材にした薄い色味のだし汁のアツアツうどん。どうやら、私は雑誌やテレビで見た他の店の個性的な「すだちうどん」を勝手に想像していたらしい。

 どこであれ何であれ、自分が思い描いていたルックスと違う料理が出てきたときの慌て様を自己分析するのはおもしろいものだ。
 このケースにしても、冷やしですだちの半切りでも脇に置いたうどんを考えるのならまだしも、いきなりすだちのスライスいっぱいのかけうどんを思い浮かべる私の方がどうかしているのかも。

 すだちはうどんのかけ汁に絞り込んであって、決してまずいものではなかった。が、どうにも拍子抜けの感は否めなかった。

 夜は、先日、新大久保の「ローズファミリーストア」で購入した(ケララ人のムスリム店員に「お前ミャンマー人だろ。テレフォンカードはどうだ」と真顔でいわれた)骨付きマトン1キロを1カップのヨーグルトとたっぷりのフライド・オニオンで煮込んだ、北インドのイスラーム風マトンカレー。なぜか寒い季節、私はマトンが恋しくなるのだ。

 帰宅がてら近くのスーパーに寄ったら、香菜はもとよりマトンに欠かせないミントの葉も売り切れでガッカリ。仕方なく、家の冷蔵庫にあったピーマン2ヶをザクッとスライスして、マトンとともに煮込んだ。だから正確には「マトンカプシカムカレー」だ。
 ミントがないのはやはり痛いが、それでもピーマンならではの青唐辛子的風味がカレー全体に浸透して美味。


 合わせる主食だが、家にあった食パンをフライパンで焼いてインド式の「ダブル・ローティ」仕立て。けっこうイケる組み合わせだ。

日記を書いているときのBGM:パット・マルティーノの『BAIYINA』(1968年)。いかにもヒップな時代性を感じさせるジャズギターの名盤だ。