マサラ日記     previous«  »next

12月19日(火)           

 朝テレビをつけたら、WOWOWでウディ・アレンとダイアン・キートンの「マンハッタン」をやっていた。この映画、大好きだ。ウディ・アレンの作品はほぼ全部見ているが、どれもいい。オトナのための映画だ。ダイアン・キートンも大好きな女優である。思わず見入ってしまい、出かける時間に遅れそうになった。

 昼、手打ちそばの店で、天せいろを食べる(1000円)。が、大ハズレ。
 まずはエビ、サツマイモ、シシトウ、舞茸の天ぷらが貧弱。しかもなぜか衣がサクサクではなくガリガリというかモッサリというか、とにかく妙に厚手で重く歯触りが悪い。出来の悪いオニオン・パコラの衣みたいな食感なのだ。


 これが南インド式のオニオン・パコラ(笹塚の「マドラス・キッチン」にて)。出来のいい例である。

 そばも量が少なく、腰がまるでない。そばつゆもダシのききが悪く、しかも魚くさかった。そば湯の量も少ない。一番まともだったのはそば茶のようで、がっかり。

 だいたい、店内に入るとジャズがかかっていた。ここから要注意である。

 そば屋、寿司屋、和風居酒屋などで店内BGMが軽めのジャズのところに入ると、私は警戒する。この手の場合、店主がジャズを好きだからかけるのではなく、小粋でセンスのあるところを見せようと、ジャズを垂れ流しにするケースが多い。あまり積極的な意味でジャズをかけているのではないわけで、たいていはジャズのことなどろくに知りもしない。だからCDを音源とするところは少なく、普通はUSENのはず。
 この浅薄なカッコのつけ方は料理やサービスにも現れることが少なくない。だから私の場合、中にはおいしくていい店もあるにせよ、ミスマッチなカッコよさを狙ってジャズをかける店は一応最初はどれも疑ってかかる。
 
 そばといえば、コストパフォーマンスの悪い店も私は敬遠する。地元西荻にもあるな、そういう店が。いくら国産の良質な玄そばが希少とはいえ、3口ほどたぐれば終わりという盛りはどうかと思う。

 夜、肝臓をいたわる意味を込めてシジミのみそ汁を作り、ひとり静かにすする。今日は酒も抜きだ。早く寝ようか。

日記を書いているときのBGM:『PATHAAN'S SMALL WORLD』というコンピCD。チル・アウトなアジアン・サウンドが満載だ。