マサラ日記     previous«  »next

12月9日(土)           

 まずは業務連絡。
 トップページにも書いたが、季刊の老舗グルメ雑誌『四季の味』冬号に連載「スパイス王国の家庭料理」の第3回「南インドではココナッツが大活躍」が掲載されている。和の銘食器とのコラボレーション写真が相変わらずいい味わいだ。ぜひ書店で手に取っていただきたい。

 土曜日だが仕事。とある食品のマーケットリサーチに新宿伊勢丹の食品売り場に出かけたが、予想通りスゴイ人の数。辟易しつつも粛々と業務を遂行するのだった。

 昼飯に代々木にあるアヒリアというインドレストランへ。看板を見るとビルの3階だが、どこから入っていいのか一瞬迷う妙なロケーション。だが、私が入店した後も常連らしき人たちがひっきりなしに訪れる。かなりの人気と見た。


 カレー2種にタンドゥーリ・チキンのハーフカット、フライド・パパド、野菜サラダ、おかわり自由のナーンかライス、それにドリンクが付いて990円はこのエリアとしてはなかなかリーズナブルだろう。

 最初、日本人の女性がオーダーを取りに来たが、しばらくすると外出。代わってふたりいる調理人の内のひとりが私にカレーやナーンを運んできた。
 そのとき彼は、私が読んでいたインド系米人作家SHOBA NARAYANの『MONSOOM DIARY』のインド製ペーパーバックを目ざとく発見。ヤバイなと思ったが後の祭りだった。結局、英語、日本語、ヒンディのチャンポンであれこれ話し込み、調理人ふたりと私には共通の友人がいること(ふたりとも名うてのインド人シェフたちの友人だった)、デリーの超一流ホテルのレストランの話などで盛り上がった。

 肝心のカレーだが、左がフィッシュカレー、右は野菜。日替わりで3つのカレーから2つをチョイスするシステムだ(残りのひとつがポークだったので、私は唖然とした。そのことをシェフにたずねたら苦笑いしていた。どうやらオーナーの意向らしく、ふたりとも豚肉の扱いには慣れていないようだった)。

 料理はどれもイケたが、とりわけフィッシュカレーがおいしかった。しいていえば、以前、赤坂のザ・タージのランチブッフェで食べたのに似ているか。南インドやゴアもフィッシュカレーが抜群だが、それらとはまったく異なるスタイルだった。日本でこういう魚カレーは珍しいだろう。

 夕刻、仕事を終え帰宅。東京は寒く、しかも雨の一日だった。ミネストローネのような温かいスープでも作りたいと考えつつ、芋焼酎を片手に残務処理。おいしい夕食は明日のお楽しみになるだろう。

★日記を書いているときのBGM:オールマン・ブラザーズ・バンドのフィルモア・イースト・ライブ完全版。ライナーノーツの不可解ぶりには辟易するが(購入当時、レコード会社に誤謬の詳細を送ろうと思ったがアホらしくてやめた。たぶん担当ディレクターは大○○野郎だろう)、内容はいい。