マサラ日記     previous«  »next

12月8日(金)           

 昼間、表参道から神谷町で仕事。
 神谷町の南インド料理店「ニルヴァナム」にてランチブッフェ(1100円)。


 手前の薄焼きパンはパロータ。ケララ州が発祥といわれる。その上のドーナツ風はワダと呼ばれるティファン(軽食)。ウラド・ダールという挽き割り豆で作るので、ぜんぜん甘くはなく、揚げたはんぺんのような味がする。カレーは左がサンバル、右は野菜カレー。

 サンバルだが、この店のはアジャンタやダバ・インディアなど既存の南インドレストランとはかなり違う。ダールの風味は希薄で甘いのだ。タミル・ナドゥのサンバルとは明らかに異なる味である。通常のタミル・ナドゥ起源のサンバルを予想すると完全にはぐらかされること確実だ。
 野菜カレーはココナッツ・ミルク味。ケララやカルナータカの野菜カレーにあるな、こういうの。


 2回戦。左からアールー・マタル(ジャガイモとグリンピースの香味炒め。北インド味)、ミント風味のチキンカレー(おそらくココナッツとヨーグルトがベースの珍しいカレー)、マトンカレー、右上はチキンロースト(南インドの鶏香味炒めの一種)。ご飯は日本米の炊き込みイエローライス。上のステンレスボールふたつが空いているのは「ひとり一食2ヶ」のみしか使用してはいけないため。このときサンバルと野菜カレーを盛っていなかった。

 他にサラサラのホウレンソウ入りダールカレーもあったが、これがまたおいしかった。

 テーブル間隔が狭く動きづらい、テーブルに比べてイスの位置が低すぎる、トイレがあまりに貧相など、店全体のオペレーションについて気になるところがある。しかもやたら混んでいて、落ち着いて食べられない雰囲気だ。せっかく妥協の無い個性的な南インド料理を出しているのにもったいない感じである。 この店、ディナーに行くのがおすすめだろう。

 夜、お約束的にジョン・レノンの『イマジン』をかけつつ、洗濯やらする。1970年代、主夫をしていたジョンに敬意を払ったつもり。

 その後『ヌートピア宣言』を聴きつつ、芋焼酎を飲む。肴はニンジンの酢醤油漬け。インド料理ばかり食べていると、こういう一品にホッとする。

「マインド・ゲームズ」などの入った『ヌートピア宣言』は世間の評価はイマイチだろうが、私はけっこう好きだ。ジョンとヨーコの仲が険悪だった頃の『ロックン・ロール』もいい。が、一番好きなのは『ジョンの魂』。曲や歌唱はもちろん、ジョンの弾く引きつったギターもパンクっぽくていい。

 ジョン・レノンが撃たれて死んだ年齢よりも長生きしている。そう考えると、情けないというか申し訳ない気分にもなる。死ぬまでに、ちょっとでもジョンの領域に近づきたいものだ。

★日記を書いているときのBGM:『ヌートピア宣言』