マサラ日記     previous«  »next

9月28日(木)           

 朝、タイのジャスミンライスで中華粥を作る。食感が軽くて美味。
 私が大好きな作家、開高健氏は『夏の闇』だったか、主人公の声を借りて「日本人には嫌う者が多いが、実は長粒米はお粥や炒飯にするとすこぶるおいしい」という発言をしていたはず。まったくその通りで、お粥の他、ジャスミンライスのフライドライスもまたパラパラとして軽く、たいへんにおいしい。

 昼、引越しに備えて書類の整理など。インドで食べた食事のレシートも出てきた。それらを見ると、たいていどんな料理だったか瞬時に思い出せる。こうした記憶が異常に発達しているのが、自分でも不思議だ。

 アナログカメラで撮った料理の写真も出てきた。料理写真もレシート同様、それを見れば、どんな味だったか、たちどころに思い出せる。

 記録の手段として料理写真は大事だが、90年代の数年間、インドでまったく写真を撮らなかった時期がある。その頃、写真を撮ると場の雰囲気が壊れそうになると感じていた。写真は邪道だみたいな思いに駆られていたのだ。そんな自分を今、少しばかり後悔している。

 夜、大塚まで知り合いの芝居を観に行く。予想以上に楽しめる公演に満足。役者、演出家、座長、プロダクション社長など多彩に活躍している人物だが、日々の仕事をこなしつつ、これだけの公演を成功させる力量に感服した。

 ネットにザクロの前立腺ガンへの効果のニュースが出ていた。ザクロは北インドやパキスタンでよく食べられる。イスラーム式のカレーなど、乾燥したザクロを隠し味に使ったりもするのだ。日本でもザクロジュースを飲む男性が増えるかも。
 
★日記を書いているときのBGM:ナイスなコンピの『クラブ・ボリウッド』。サラーム海上氏ならではのセンスが光る1枚だ。