マサラ日記     previous«  »next

9月17日(日)           

 中央線沿線はどこも秋祭り。阿佐ヶ谷でもいくつもの神輿が競演していた。

 そんな阿佐ヶ谷で料理教室。ナス料理がメインだ。
 ひとつめは南インド、アーンドラ・プラデーシュ州流のマサラ詰めの蒸し煮。炒めたタマネギにココナッツ・ファインと各種スパイス、タマリンド、砂糖、塩などをミックスしたマサラを、切れ込みを入れたナスに挟み詰め、蒸し煮する。辛くて酸っぱいというアーンドラ風味の特徴がよく出た一品といえる。召し上がった方の感想として「お肉を食べたような充実感」というのもあった。なるほど、その通りでもある。

 お次は南インドの菜食カレーの代表、サンバルでナスをフィーチュア。


 これは教室ではなく、私が自宅で作ったものだが、すべてのテーブルがだいたいこんな感じに仕上がった。「特にサンバルを勉強したかった」という参加者の方が複数いらっしゃったがヒントをつかんでいただいたとすればうれしいもの。

 三つ目はベンガル式の炒めもの。パンチフォロンと呼ばれるミックススパイスを使う。マスタード・シード、クミン・シード、フェネル・シード、フェヌグリーク・シード、カロンジ(ニゲラ・シード、オニオン・シード、ブラック・クミンなどとも呼ばれる)を同分量で混ぜたもので、ベンガルの他オリッサなどでも時に使用されるようだ。私は生まれてはじめて行ったインドがベンガルのカルカッタ、そのときもパンチフォロンの入った料理を食べたから、ある意味私のルーツみたいなスパイスミックスである。
 ナスにスパイスの風味がしみこんで美味。ご飯にはもちろん、チャパティにも合わせたくなる味わいだ。

 他にはブラック・ペパーのきいたラッサム、タイのジャスミンライス、食後にはショウガの利いたチャイ。

 まだまだ他にもナスのおいしさを生かした料理はインド亜大陸にたくさんある。深まる秋に向けて、お楽しみいただければうれしいものだ。

★日記を書いているときのBGM:今日もサンタナV。もともと中学時代に聴いて以来、好きな作品である。彼らの作品の中でも最もハードでファンキーな部類に入るだろう。