マサラ日記     previous«  »next

8月13日(日)           

 昼間は相変わらず原稿。何とかメドが立ちホッとする。

 午後3時すぎ、テレビをつけたらNHKのBSにエンケンこと遠藤賢司氏が出て、例の調子で熱い演奏を繰り広げている。「フォークの達人」という番組の再放送らしい。
 いかにもNNK的なベタなタイトルに苦笑し、エンケン氏に「フォーク」のレッテルは似合わないとも思ったが、演奏自体はバツグンなので見入ってしまう。
 特に途中、はっぴいえんど、バンドワゴン、ティンパンなどの名ギタリスト、鈴木茂氏とのデュオがあって、これがよかった。鈴木氏のローウェル・ジョージ的スライドもひさしぶりに聴けて満足。
 
 夜、友人夫婦とウチら夫婦で吉祥寺「鳥良」にて飲み食い。
 日本の外食では、一般に手羽先は安く仕入れられる。これをうまく味つけしてりっぱな名物にしたのは、目のつけどころがいい。5個で420円、持ち帰りだと300円だから、価格訴求力がある。
 焼き鳥ほかのメニューも充実。お客はひっきりなしで満席状態が続き、空き待ちの行列ができる人気店だ。

 インド料理だと手羽先はあまり使い道がない。
 インド人は躊躇なく脂の多いところは捨てるので、タンドゥーリ・チキン用の丸鶏をさばいた後の手羽先などはゴミ箱直行ということも少なくない。日本人のお客様を意識した店だと「タンドゥーリ・ウィング」にしたり、あるいはディープなメニュー展開を図る店では「チキン・スープ」にしたりするが、いずれもマイナーな取り組みだろう。
 
 大昔いたアジャンタの厨房だと、手羽先を使ったカレーのまかないがどれもおいしくて印象に残っている。トマトとヨーグルトを使った普通の手羽先カレーでも、何でこんなおいしくなるのだろう? という感じだった。20年近く前の麹町アジャンタのキッチンは凄腕料理人集団だった。

★日記を書いているときのBGM:はっぴいえんど「風街ろまん」(1971年)。