マサラ日記     previous«  »next

8月8日(火)           

 昼、銀座の真ん中で1981年から創業しているパキスタン料理店へ行く。ここを訪れるのは2年ぶりぐらいか。

 メニューを見ると、明らかに以前とは異なる内容。6ケあるランチセットから「チキンとベジタブルのセット」950円をオーダー。2種類のカレーの他、ナーン(以前は丸いクルチャタイプ)、ライス(以前はかなり本格的なインディカ米プラオでおいしかった)、サラダが付く(昔は、さらにショルバ=スープが付いたが、今回はメニューから消えている)。

 しばらくして出てきたセットを見て唖然。明らかに以前より質量ともグレートダウンだろう、これは。

 まずはライス。以前はフライドオニオンを炊き込み、スパイスもよくきいた茶色のオニオン・プラオが平たい皿の半分ほどの面積にきれいに敷き詰められていたのだが、何ですか、これは。
 カトゥリ(ステンレスの小さなカップ)に日本米にクミン・シードが一粒絡まっただけのご飯。オイルを加えてはいるものの、以前とは雲泥の差。香りがまるでないし、量も異常なほどケチっている。

 ナーンも小さい。まずくはないがインパクトのある旨さもない。以前はもっと個性的な歯応えあるナーンだった。

 そしてカレー。これまたインパクトがない。典型的なブレンダーグレービーだ。拙著『誰も知らないインド料理』などに書いたが、炒めたタマネギと缶トマトをミキサーにかけ、そこにチョイチョイとスパイスを入れてのばしただけのカレーソースに他ならない。以前もトマトだらけではあったものの、それなりに気骨のあるカレーを提供してくれたはずだが、今回のはペケ。

 昨日に続いてランチカレー2連敗。明日はどっちだ?

★日記を書いているときのBGM:パスカルズのファースト