マサラ日記     previous«  »next

7月7日(金)
           

 6日(木)。新しい本に関する打合せ。
 テーマを決め、とりあえず章立てするところからはじめることにする。
 具体的な落とし込みはまだ先になるが、レシピの羅列ではなく、文章中心の中味の濃い一冊になりそうで、自分でも楽しみ。いい出会いに感謝。

 打合せ後、茗荷谷のインド料理屋へ。名前は知っていたが初の探訪という店。メニューを見ると、オーソドクスな北インドテイストという感じ。
 ベジタブル・ジャルフレイジー(野菜の汁なし香味炒めカレーで、もとはパンジャーブの料理。ジャルフレイジーは「水で焼く」みたいな意味だ。デリーにあるタンドゥーリ・チキン発祥の地といわれるレストラン、モティ・マハルなどにもある典型的なレストランタイプの料理)、ダール・タルカ、タンドゥーリ・ローティ(全粒粉の厚めのチャパティをタンドゥールで焼いたもの。私はこれがあるときはナーンではなく、こっちをオーダーすることが多々ある)、本当のサフランを使ったサフランライスなどを食べる。
 
 ダール・タルカ。上にのっているツブツブはギーで炒めたクミン・シード、ショウガの千切り、そしてわけぎのような青ネギのチョップ(香菜の代用)。写真では色が茶色いが、実物はより黄色っぽかった。
 ダール・タルカというのは、ふつうたっぷりのギーで揚げ炒めしたタマネギでムング・ダール(緑豆)やマスル・ダール(インドのレンズ豆)を煮込んだものをいう。北インドやパキスタンの調理法で、南インドのヒンドゥ調理人にはこうした料理を知らない人も少なくない。とにかく通常のダールよりも濃厚な味つけで、食べ応えがある。
 この店もそうした手法できちんとつくっているが、豆はチャナ・ダール(インドのひよこ豆の挽き割り)である。

 7日。七夕だが、実際はどうってことのない1日。
 このところ、いたるところで笹の葉に吊るした願いの短冊を見かけるが、「お金が欲しい」に代表される即物的なお願い一辺倒なのには、ちょっとうんざり。それもおとなではなく、子どもが書いているのだから、この国の将来に殺伐たるものを感じる。

★日記を書いているときのBGM:カーシュ・カーレイの『ブロークン・イングリッシュ』。蒸し暑さを適度にチルアウトさせてくれる好盤。