マサラ日記     previous«  »next

6月16日(金)
           

 仕事で「チキン・ラッサム」をつくる。
 この写真は以前つくったものだが、まあこんな感じのものである。

 ラッサムというのは南インドのスープカレーで、別名「ペッパーウォーター」と呼ばれる。
 ブラック・ペパーやニンニクがきいているので、そんな呼び名があるのだが、ふつうはトマト、トゥール・ダールという挽き割り豆の煮汁、タマリンド、スパイス類などをサッと煮てつくる。つまりは菜食のカレーであるし、日本の南インドレストランで食べられるラッサムも基本的に皆ベジタリアン仕様だ。

 ところがインドにはノンベジタリアンのラッサムもある。代表的なのは鶏肉ダシのラッサムだが、カニなどでスープをとったラッサムもある。

 チキンのラッサムの場合、頸の肉やガラなどを1度茶色に炒めてから、じっくりスープを煮出したりもするが、日本人が食べる場合、肉がないとガッカリすることも多いので、たいてい私は水炊き用の骨付きブツ、ウイングスティック、手羽先などで具だくさんにしてつくる(だから、たいてい本場のものは、この写真のように具の肉は見当たらない)。

 チキンスープとスパイスがうまく溶け合い、トマトやレモンの酸味やカレー・リーフの風味がきいたチキン・ラッサムはなかなか美味。滋養もあるので、疲れたとき、風邪気味なときにもいい。個人的に好きなメニューのひとつだ。

 そんな仕事先で、かつて大久保にあったおいしいタイ料理店「マイロード」の話題が飛び出す。これまた閉店したシンガポール料理の「新世界」もおいしかったな。今は韓国勢と中国勢の寡占状態、ちょっと昔の大久保界隈に思いを馳せた。

★日記を書いているときのBGM:UKエイジアンの先駆グループ、モンスーンの『THIRD EYE』(1983年)。