マサラ日記     previous«  »next

6月15日(木)
           

 東京は昼頃から雨。いよいよ梅雨本番か。

 昼はタイの焼きビーフンであるパッタイ、夜は家で豚肉のバジル炒めを食べる。どちらもタイ料理だ。

 ナーンやタンドゥーリ・チキンに代表される北インド料理にタイ料理との共通項は感じられないが、南インド料理にはある種タイ料理との類似性が感じとれる。
 
 風味の軽さ、シャープさ、さらにはそうした味つけの源泉であるココナッツ、タマリンド、香菜などの使い方も重要な一因だが、全体的な肌合いとして「ナマっぽい」というか、フレッシュさみたいな部分がよく似ている気もする。

 本場の南インド料理だと、生のカレー・リーフあるいはサッと揚げたカレー・リーフもふんだんに使われる点でフレッシュ感に拍車をかける。日本の南インド料理と本場のそれの最大の相違点はカレー・リーフの使い方かもしれない。

 生のカレー・リーフが存分に使えないのはしょうがないにしても、日本のインド料理店、特に北インドの店で、香菜をやたらケチっているのは個人的に気に入らない。

 私が以前調理長をやっていた店では、毎日相当な量の香菜を消費していた。おそらく香菜の消費量だけなら、日本トップクラスだったと思う。本来、インド料理とはそんなものなのだ。

 おいしいインド料理やタイ料理をつくりたいならば、ご自分の周りでの香菜の入手先についてチェックしておくのが得策だろう。

★日記を書いているときのBGM:ニヤーズの『ニヤーズ』。ペルシャ、アラブ、トルコ、そしてパキスタンやラジャースターン音楽とエレクトロのナイスな融合を楽しめる1枚。