マサラ日記     previous«  »next

5月2日(火)
           

 帰国後、間髪入れずに仕事の1日。といっても周囲が連休モードということもあり、ひとり頭の中であれこれプランニングしてみる時間が多かった。

 インドに行っている間、ホテルで60チャンネル以上あるテレビをよく観ていたのだが、ペプシか何かのコマーシャルで印象的なのがあった。
 そこではインド人俳優が日本人に扮して登場するのだが、たぶん本当は目がパッチリとしてなかなかナイスガイなのであろう彼が目を目一杯細くし、顔は妙に日焼けして赤ら顔、大きなカメラを首からぶら下げ、ダサいチェックのシャツとコットンパンツでインドを旅する日本人をイメージしていたのは、かなりショックだった。

 で、新宿駅の雑踏やら中央線内で周囲を見回すと、なるほどそんな顔の人々が多い。
 まあ、目が細いのは生来のものだからしょうがないとしても、多くの人の表情が暗いのが気になる。
 インドから帰国するたび、じゃがたらの名曲にあった「日本人て暗いね」という一節を思い出しては口ずさんだりするが、今回もおなじ。

 

 この写真は、今回、マドラスの大田市場とも呼べそうなコヤンベドゥKOYANBEDUという大市場のマンゴー屋で撮ったもの。いやあ、みんないい顔してるので参ってしまう。
 同行したカメラマンや編集者両氏も「インドは人々の顔がいいですね、特に子どもたちが」ともらしていたが、まさにそんな感じ。
 私にとってインド亜大陸というのは、料理や音楽を味わいに行くだけでなく、人の顔を見に行く場所でもあるわけだ。

(日記を書いているときのBGM:大好きなカルナティック音楽のシンガー、SANJAY SUBRAHMANYANのカセット。バツグンの節回しとドライヴ感にシビれる)