マサラ日記     previous«  »next

3月29日(水)
           

 桜もほころんでというか、満開に近い感じでもある。今週末の桜の名所はたいへんだろう。

 たとえば、井の頭公園。この季節、吉祥寺駅を降りてしばらく歩くと「ゴォー」というか「ウォーツ」という感じの地鳴り的な音と、周囲に漂う酒の匂いで「ああ、そうか。お花見だ」と改めて意識したりする。

 個人的には、桜にまったく頓着がない。まあ、きれいな花だとは思うが、格別かといわれても、ウンとは頷けない感じだ。

 よくよく見れば葉っぱがないのが妙だし、気づくと毛虫がいっぱいだったりして、ヘンだ。ソメイヨシノよりは八重桜の方が美しいような気もする。

 梶井基次郎はスゴかった。桜の木の下に死体が埋まっているなんて誰も考えなかった代わりに、いわれてみると、何となくそんな気になってしまう。さすが天才。

 インドだとダライ・ラマ師の住むダラムサラが桜の名所らしい。10とか11月といった秋が開花季節のようだが、その時期行ったことがない。
 インドで桜とはまるで似合わないイメージだが、ダラムサラだと納得してしまう。
 そういう日本人好みな場所である、ダラムサラは。

(日記を書いているときのBGM:来日を祝してローリング・ストーンズの『bigger's bang』)