マサラ日記     previous«  »next

3月18日(土)
           

 私の住む西荻窪にはちょっと変わった店が多いのだが、そんな中のひとつといえる「インド式中華とインドカレーの店」というのにランチを食べに行く(ちなみにこの店、ベンガル人の経営である)。

 インド式中華というのはその名の通りINDIAN CHINESEというやつで、インド国内ではひとつの料理ジャンルとして成立している。
 これがさらに南インドの中華ならば、南インド随一の都会チェンナイのある州名にちなんで「タミル式チャイニーズ」などとも呼ばれる。ここらへんのことは拙著『ごちそうはバナナの葉の上に』にも書いた。
 ベタベタした炒めものやノビノビの麺、やたら激辛なソースを使っていることなどで、明らかに正統な中華とは異なるのだが、妙にクセになる味でもある。インドを旅した方ならば、無意識のうちにも一度は口にされたことがあると思う。

 そんな料理屋のランチなのだが、私はインド中華ではなく、「ベンガル・プレート」というセットにした(1000円)。チャナ・ダールの煮込み、インド式オムレツ、ベンガル式ポテト炒め、生の青唐辛子、バスマティライスという組み合わせ。まずくはないが、インパクトが今ひとつ。それにだいたいチャナ・ダールのカレーの量がレードル1杯ぐらいで少なすぎ。ごはんが余ってしまうので、生の青唐辛子をかじりつつたいらげた。現地超安食堂の食事風景みたいである。

 インド式中華のメニューについては後日トライしてみよう。

 どうも昼間のカレーが煮え切らない感じなので、夜は自分でつくる。
 カルカッタやボンベイなどの庶民派食堂でもよく供されるひよこ豆とジャガイモのカレー、「アールー・チャナ」。マンゴーのパウダー、乾燥したフェヌグリークの葉(カスリ・メティ)などで味をつけている。
 本日はこれにバゲットという組み合わせ。
 インドでもカレーに西洋式のパンという組み合わせで食べさせる店がある。何もナーンやチャパティだけがカレーに合うわけではない。

 (日記を書いているときのBGM:ニール・ヤング『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』。今も、たとえ生ギター1本でもパンク並みの破壊力を誇る前人未到のロックオヤジの若き日の金字塔的作品。深く沁みる1枚だ)