マサラ日記     previous«  »next

2月28日(火)
           

 昼、仕事で御徒町に行ったついでに、以前から気になっていた南インド〜スリランカ料理の店に入ってみた。


 これはマサラ・ドーサ(1200円)。わざわざ食べやすくふたつに切って出てくるところに恐縮した。
 付け合せは右がピーナツ・チャトニ。左がサンバル。
 サンバルは、私の知るタミルのオーソドクスなスタイルとはやや異なる。おそらく私が使うようなサンバル・パウダーは入れていないだろう。かなりシンプルなレシピでサンバルっぽさを出そうとしている。具はナスやニンジン。
 ピーナツ・チャトニはスパイシーでカレー・リーフもきかせてあり、印象的な味わい。


 こちらは「クルマ・パロタ」(980円)。
 クルマはココナッツのきいた野菜カレーのこと。北インドの「コルマ」に相当する。
 私が本場の料理人から教わり実践しているのは、フェネル・シードをスターターに使い、ポピー・シードや青唐辛子、ココナッツをきかせたスタイルだが、この店のはサンバル同様やはり異なるものだ。
 パロタは北インドの「パラタ」と違い、精白した小麦粉を使ったクロワッサン風の生地のパンのこと。マレーやシンガポールに渡り「ロティ・チャナイ」へと変身した。
 クルマとパロタの組み合わせは南インドにおける定番のひとつといえる。これが手軽に食べられるとはありがたい話だろう。

 さらに写真はないが、ラッサム(380円)もいただいた。これもサンバル同様、シンプルなスパイス使いの1品だった。

 全体の印象としては、タミル州、カルナータカ州あたりの南インド菜食料理店とはややスタイルを異にする店という感じ。しいていえば、ケララのノンベジ食堂やマドラス(チェンナイ)で「セイロン・ホテル」などと呼ばれるノンベジ・レストランのノリに近い。「エッグ・パロータ」や「エッグ・ホッパー」といった料理があるのもおもしろい。

 東京で「アジャンタ」「ダバ・インディア」などに代表される南インド料理店とはやや趣きの異なる店で、なかなかおもしろい(ただし、正統的なサンバルを食べたい方などは肩透かしを食らうだろう)。
 アメ横に買い出しに行ったりしたら、また立ち寄ろうか。

(日記を書いているときのBGM:BLACK STAR LINER★というUKエイジアン・グループの『Bengali Bantam Youth Experience!』)