マサラ日記     previous«  »next

2月10日(金)
           

 昨日の日記を書いてから、たまたまWOWOWを点けたら、グラミー賞の授賞式中継で「スライ・アンド・ファミリー・ストーン・トリビュート」の場面だった。

 ちょうど、私の好きなゴスペル・スティール・ギターの魔術師、ロバート・ランドルフのほか、エアロスミスのスティーブン・タイラーとジョー・ペリーが出てきて「ハイヤー」をやっていたのだが、途中で突如、スティーブン・タイラーが「カモン、スライ」と叫んだ。

 すると、ああ、ついにあのスライ・ストーンご本人がステージ下手から登場したのだった。

 ビール片手にこれを観た私は、感激というより背筋に寒いものを感じた。
 予想通り、スライにはまるで生気と精気がない。ヘロヘロというか、カラカラに乾いた感じで、ウッドストックの頃のような圧倒的な迫力は皆無。キーボードはちゃんと弾いてないし、もちろん声も出ず、きちんと歌っていない。ダメだろう、こんな形で人前に出ては。

 スライは金髪でモヒカンだったが、それがやけにカッコ悪く、また古くさく感じられた。プリンスみたいなコスチュームもダサかった。時代とシンクロしていない感じが濃厚で、まさにバッド・トリップ。

 トリビュートCDがようやく出るようだが、ご本人があの調子ではあまりに情けない。人生これからだろ、頑張れスライ。

(日記を書いているときのBGM:といいつつ、またも「シャリマール」。酒を飲みつつマトン・カレーとローティが食べたくなる曲だ)