マサラ日記     previous«  »next

2月6日(月)
           

 ついにクレイジー・ケン・バンドのライブCD『青山246深夜族の夜』を購入。
 まあ、ついにというほどのことはなく、お金を出せばどこでもこのCDを売っている店で買えるのだが、やっぱり「シャリマール」1曲のためにでも買うべきだろう、インド亜大陸系音楽ファンとしては。

 とにかく歌詞がリアル。パキスタン出身の中古車屋という設定自体がモロ現実的(実際、そういう御仁をご存知な方もいらっしゃることだろう)、しかも描写が細かい。かつて、横山剣氏の近くにそんなパキスタン人がいたのは間違いないだろう。
 曲の途中に「アッチャー」というかけ声が入ったり、最後にイスラム・インド、あるいはパキスタン&バングラデシュを思い出さずにいられないことばの羅列があるのも強烈。

 音や唄の節回しはいつもの調子の中、妙にジュヌーン的というか、変なムスリムぽさがあるのも、さすがの音楽性だ。

 おそらく、これだけ下世話に南アジアなイスラムに踏み込んでオチャラケた曲は、日本人ミュージシャンとしては初の試みだろう。まさにエポック・メイキング。

 ちなみにこの作品では、ゲストの野坂昭如氏も遺憾なくその偉才(異彩)を発揮している。相変わらずの「マリリン・モンロー・ノー・リターン」である。

 さすが、私も好きだった「幻の名盤解放同盟」主宰のイベントでのライブ、どこまでもディープな名作であった。

※横浜のバンド・ホテルが今はなく、ドンキホーテになっていることを今作品の歌詞と解説で知った。愕然。

(日記を書いているときのBGM:当然、クレイジー・ケン・バンドの「シャリマール」)