マサラ日記     previous«  »next

1月6日(金)
           

 元旦から約1週間。いつもの生活に戻った方がほとんどだろう。私は正月中も通常の生活と大差なかったので、特段の感慨もなく淡々とした毎日だ。

 昨夜、近くのスーパーに夜の8時頃行ったら、見事なまでに生鮮品の棚が品不足。手羽先やもやしなど普段ならたっぷり置いてあるはずのものまでが売り切れでスッカラカンの状態。倉庫にあるものの在庫一掃か、はたまた発注ミスなのか理由は不明だが、とにかくめずらしいほど品がない。
 個人的には前者だと考えた。年末年始で一斉仕入れをかけたものをきれいに処分してリセットという算段なのではなかろうか。算段に乗るのがしゃくだったので、豚挽き肉だけ買って、家にあった豆腐やニンジンと合わせて中華炒めをつくった次第。

 西荻窪界隈の飲食店は年末年始の休みの比較的長いところが多い。1週間ぐらいは平気で休む。駅前の台湾料理店など10日からの始業らしい。日頃ハードな飲食の仕事だからこのときぐらい休むのはなるほどだが、それにしても世間相場より長めな感じ。中央線的なユルいノリの現れといえようか。

 そんなユルい西荻窪にあるパンジャーブ料理の店「ラヒ パンジャービー・キッチン」にて夕食。
 本日はちょっとめずらしいホウレンソウとダイコンのカレーをいただいた。
 ホウレンソウは私の好きなハンド・チョップ。ミキサーがけより絶対こっちの方がおいしいと思う。ダイコンは薄いいちょう切り。グレービーはオイル少なめのアッサリタイプだ。

 思えば、インドカレーにダイコンというのは、大昔、今はないアジャンタ鎌倉店で南インド流野菜カレーをいただいてからの印象的な食材のひとつ。今では、サンバル、あるいはヨーグルト風味やココナッツ味のカレー、炒めものなどに入れて自分でも楽しむが、当時は「えーっ、カレーにダイコンとはめずらしい」と感動しきりだった。ダイコンとは私のカレー人生にとって記念碑的な素材なのである。

 ちなみにダイコンを薄くスライスして、たっぷりのレモン汁、塩、ブラック・ペパーかカイエン・ペパーを少々(チャット・マサラがあればなおよし)かければ、かんたんなインド風箸休めになる。コッテリした肉料理のつけあわせなどに最適だ。

(日記を書いているときのBGM:リトル・フィートのセカンド・アルバム『セイリン・シューズ』。リーダーのローウェル・ジョージはシタールや尺八も演奏したという。大好きなミュージシャンのひとりだ)