12月28日(水)
山崎パンが製造販売している「マンゴーカレーパン」というのを、仕事で食べた。
予想通り、マンゴーの味や香りはあまりしない。マンゴーピューレの入ったカレーを使っているようだが、小売価格100円ちょっとの品物でマンゴーの風味をふんだんにつけることが極めて難しいことから、仕方のないところだ。
「焼きたて!! ジャぱん」というテレビアニメとのコラボレーションらしいが、そのアニメを見ていないので、どういう経緯でこの商品ができたのかわからない。でもよく売れているようだから、企画としては成功だろう。
インドには、マンゴー入りのカレーもある。ただし、それは未熟の青マンゴーを酸味付けに使ったものだ。南インドのフィッシュ・カレーなどに多用される。完熟の甘いマンゴーならば、わざわざカレーなどにはせず、そのままかぶりつくのがやはりおいしい。甘酸っぱいフルーツカレーというのも、あるにはあるが。
未熟の実を乾燥させたマンゴー・パウダーは「アムチュール」といって、バラナシなど北インドのピュア・ベジタリアン・カレーの酸味付けに使われる。とりわけ、日本でもファンの多いチャナ・マサラのかくし味として効果バツグンだ。
また、フルーツ盛り合わせやタンドゥール料理、サラダなどにふりかけるチャット・マサラという酸っぱいミックス・スパイスにもマンゴー・パウターが入っている。
マンゴーカレーは、非インドカレーでジャムのように甘い「マンゴー・チャツネ」をカレーに入れることから思いついたようなような気もするが、どうだろう。
あの甘ったるいマンゴー・チャツネは私はまったく料理に使わないし、インド料理全体でもマイナーな存在だと思っている。とくに南インド料理には登場しないメニューだ。日本でのもてはやされ方を考えるに、イギリス経由によるカレー伝播の影響だと考えた方が無理がないような気がする。
(日記を書いているときのBGM:イギー・ポップ率いるストゥージズのセカンドアルバム『ファン・ハウス』(1970年)の2枚組スペシャルCD)