マサラ日記     previous«  »next

12月9日(金)

 この前の日曜日、十数年前に買ったコートを着ようとしたら、襟のところや裏地がボロボロ。あっさり捨てようかと思ったが考え直して、近くの洋服直しの店「すみれ洋裁店」(03-3396-0157)に持っていってみた。10年以上西荻窪に住んでいるが、はじめて入る店だった。

 かわいい名前とまるで結びつかない感じ、しかし実直そうなおじちゃんとおばちゃん、それに白黒の大きなかわいい猫がいるその店に預かっていただいたコートが本日戻ってきたのだが、見事に修繕されている。裏地のほぼ全とっかえで15000円したが、感激が大きい。すがすがしく得した気分だ。

 店には修繕を待ち受ける衣類がたくさんあったし、「裁縫の得意なパートさん募集」の貼り紙もあったから、けっこう繁盛しているのだろう。それにしてもたいした腕前、プロの技を感じる。

 こういう服の直しだとか修理修繕系の店ってインドにもよくあるので、なかなか愛着がある。とくにむこうでは、くつとかサンダルの修繕屋なんて、みんなよく利用している感じだ。

 家電品やパソコンをはじめとして、壊れていようがいまいが頻繁に買い換えるのが日本のトレンドだが、多くの国々ではまだまだ修理修繕が幅を利かせている。素直にモノを大事にするのっていいことだと思うし、手仕事の冴えを見せられると、とにかく気持ちがいいし、安心できる。

 話は変わって、マガジンハウスHanakoの最新号が「東京のおいしいレストラン137」。レストラン・バブルみたいな店があいかわらず多い。一部の新興外食企業(たいてい社長の年齢が私と同年代以下)ではオープン2年で資金回収し、そのまま店をたたんでもいいように経営計画を立てるという。2年経ってダメだったら、へたすればシェフやホールスタッフは路頭に迷うこともあるわけで、キツい話だなと思う。

 衣類とお店、どちらも長持ちの方が個人的にはうれしいものだ。