マサラ日記     previous«  »next

12月6日(火)

 朝、発作的に「今日はチャナ・マサラが食べたい」と思い、黒いひよこ豆を水につけて出かけた。

 夜になっての帰宅後、その黒いひよこ豆(ヒンディ語等でカラ・チャナという)を厚手の鍋でゆでた(圧力鍋を使えばより短時間に仕上がるが、後かたづけが面倒なのでやめた)。
 同時進行でたまねぎ、トマト、ししとう、スパイスなどを入れたシンプルだが力の強いカレー・ベース(いわゆるマサラ)をつくり、ゆだった豆と合体させた。屋台風のカラ・チャナ・マサラのできあがりである。
 黒いひよこ豆はおなじみの白いひよこ豆(カブリ・チャナ)よりやや皮の部分がかたく、その皮のところにいい風味がのっている。個人的な好みからいえば、黒の方が好きだ。

 屋台風というのは、豆に比べてマサラの配分量が少なく、その分、青唐辛子代わりのししとう、香菜、カスリ・メティ、それに酸味と香りを高めるマンゴー・パウダー(アムチュール)などをたっぷり使い、ワイルドな持ち味を前に出したことによる。たっぷりのグレービー(カレーソース)で仕上げるリッチなテイストのチャナ・マサラより、さらに豆自体にうまみをのせて仕上げるのがポイントだ。

 このチャナ・マサラは、主食なしでこのままそれだけ食べてもいい。そういう点でも屋台的。今夜はかつてこういう料理をパンといっしょに出していたボンベイの裏町の安レストランを思い出しつつ、西洋式のパン(安手のバゲット)を添えてみた。北インドのチャナやダールはフランスパンによく合うのである。
 
(日記を書いているときのBGM:ケミカル・ブラザースの『DIG YOUR OWN HOLE』)