マサラ日記     previous«  »next

11月30日(水)

 広島の事件の犯人が捕まった。それにしても、外国人だったとは誰も想像しなかっただろう。

 こういうときに怖いことのひとつは、外国人であることを犯行の動機に短絡的に結びつけようとすることであるのは、いうまでもないだろう。ペルーの人たちへの偏見が心配である。

 思い返せば、90年代の一時期、イラン人は全員素行がわるいみたいな風潮が日本の一部にはあった。9.11に関連して「ムスリムは怖い」という無意味な思い込みだって、当然のように今も世界のそこここでくすぶっているし、ロンドンテロの後、現地でパキスタンやバングラの人たちが迫害を受けたという話も伝わってきている。世界は誤解と偏見に満ちているわけだ。

 私自身についていえば、オウムの一連の事件の頃、よくオウムだと間違われ、白い目で見られた。おかげで、それまで日常よく着ていた「クルタ・パジャマ」という格好も辞めざるを得なくなったし、インドに関係があるというだけで胡散臭く見られたりもした。まったくウンザリで迷惑な話である。

 同じ頃、大いにわりを食ったのは、私のほかにもいた。その最たる例はヨーガ関係の人々である。知り合いの有名ヨーガスクールでも、会員が激減したという話を聞いた。

 そんなわけで、今の「ヨガ・ブーム」をまのあたりにして、よくオウムと結びつかなかったなあと妙に感心するところがある。やはり、何であれアメリカ経由で入ってくると、日本人は安心して追随してしまうのだろう。

 ペルー料理には、黄色い唐辛子を使ったカレーみたいなメニューがある。昔、神楽坂にペルー料理店があって、そのメニューがとくにおいしかった。
 安心して、おいしいペルー料理を食べられる日本であって欲しいものだ。