マサラ日記     previous«  »next

10月23日(日)

 朝、一晩置いた日本式のカレーを、雑穀と豆の入ったご飯といっしょに食べる。カレーは味が全体に丸くなっていて、おいしい。あわ、きび、押し麦、アマランサスといった雑穀のほか、緑豆、黒大豆、小豆、ごまも入ったご飯も、カレーとの相性がいい。

 雑穀は好きだが、妙にストイックな使い方はあまり好みでない。楽しく、無理せず、手軽に、日常の食生活にとりいれたいものだと思っている。

 日本のカレーといえば、「一晩置いたカレー」ではスパイスの香りは後退している。スパイスというのはそういうものだ。時間が経つたびに、料理を煮返すたびに香りが減退していく。それでも、日本のカレーの場合、翌日のバージョンのファンが多いということは、日本人は日本のカレーに「香り」という要素をあまり求めていないということだろう。

 昼下がり、トンコツ味の生ラーメンに炒めたキャベツをのせて食べる。こういう食事はひさびさだ。たまにはいいだろう。
 トンコツ味というば九州。なぜか「マルタイの棒ラーメン」が食べたくなった。韓国の「辛ラーメン」などとともに、凡庸なインスタントラーメンより、こうしたものの方が好きだ。

 夕方、吉祥寺に行って買いもの。人ごみに辟易して、用だけ足してすぐに西荻窪に引っ込む。

 夕食。とりあえず、冷蔵庫にあった鶏もも肉でインディアン・チャイニーズ風のオリジナル「チリ・チキン」をつくる。酒の肴である。
 でっかい青唐辛子は「ピリ辛ピーマン」というものだが、かなりの激辛。おかげでインド並みに辛い一品となった。とにかく「ネパール風チリ・チキン」とか、「ウイグル風鶏のクミン炒め」にも似た味わいである。

 メインは「ゴアフィッシュカレー」にライス、ビールという、ゴアのビーチの定番メニュー(ビールがキングフィッシャーの大ビンだったら最高だったろう。本日はスーパードライだったが)。
 フィッシュカレーの魚は安く売っていた「シイラ」(大きな切り身4つで500円ちょっと)。インドでもたまに見かけるが、魚カレーに使ったのははじめて。皮つきだが、くさみもまったくないし、脂ものって美味だ。マサラをまぶして焼いたりしてもおいしそう。

 ゴアのフィッシュカレーは、南インドのそれとはスパイス使いが異なる。炒めるたまねぎの量がたいへん少なく、短時間で仕上がるのもいい。個人的にも好きなカレーのひとつだ。

(日記を書いているときのBGM:山根麻以『祈りの唄』ほか)