マサラ日記     previous«  »next

9月30日(金)

 昼ご飯にタイ料理。幅広ビーフンのクエティオ・センヤイをオイスターソースっぽいタレで炒めたものだ。
 ココナッツ風味の汁ビーフン、サラダ、ココナッツミルクとさつまいものデザート(生のココナッツ果肉スライスも入っていて、おいしかった。アジア的郷愁を誘う味だった)がついて770円。お得なランチだ。

 この店(新宿の「クルンテープ」)は同じ料理をオーダーしても、具材を変えるなどして、お客様を飽きさせない。そんな気遣いがニクい感じだ。このパッタイ(炒め麺)にしても、ふだんはキャベツやもやしを具材にするところ、今日のは白菜やピーマンを炒めている。幅広麺の歯応えもしっかりしているし、味つけも色のわりにサッパリと軽くていい。

 インドの屋台料理には麺というジャンルもある。チョーミェンchowmienなどといわれるやつで、カルカッタに行くと、映画館の前とか、市内随一の大市場「ニューマーケット」の前あたりで店開きしている。つくっているのがバリバリのインド人で、出てくるのがエセ・チャイニーズである落差というか不思議なコンビネーションがおもしろい。デリーやボンベイ、マドラスといったほかの都市では見かけない。タイやミャンマーにより近い、ベンガルならではの屋台という感じだ。

 インドにある中華料理店にも、もちろん麺はある。メニューの一例はココ。日本の中国料理とは明らかに一線を画す内容が、おもしろい。バンガロールにあるというこの店、実際の料理も、きっとインディアン・チャイニーズなのだろう。

 インドもそうだけど、外国の麺料理で軽視されやすいのが「麺のコシ」だ。中国で食べた麺にもまるでコシのないのがあった。むこうの人は麺のコシにはいっさい無頓着なのかなと思ったくらい。

 うどんやそばでコシやら、のどごしやら、香りやらを常に要求する日本のグルメは、ホント麺については繊細だと思う、ときに必要以上と感じられるくらいに。