マサラ日記     previous«  »next

9月21日(水)

 最近、仕事に関連して「マンゴー」についていろいろ調べたり、マンゴーのドリンクを飲んだり、プリンを食べたりしている。

 「インド産アルフォンソー・マンゴー」は、既に日本でもひとつのブランドとして歩き出している。よく注意してみると、コンビニなどでも、「アルフォンソー・マンゴー使用」というキャッチ・コピーのついた飲料やプリン、ヨーグルトがやけに多いことに気づく。

 ある食品業界の方にいわせると「コーヒーのブルーマウンテンと同じで、最高級とはいうものの、それがほんとうに最高においしいものとして評価できる舌を日本人の多くが持っているかといえば疑問。そして、実際に最高級のものが輸入されて、きちんとその魅力が発揮されるように使用されているかということについても同様」とのこと。

 だいたい、インド国内でも「何が何でもアルフォンソー」という空気がないエリアだってある。
 たとえば南インド、マドラス(チェンナイ)の露店でマンゴーを売っているおっさんに「アルフォンソーある?」と聞いたら、「アルフォンソーより、この○○種の方がおいしいぞ」と切り返されたことがある(何という種類かは忘れた。勉強不足だ)。

 アルフォンソーはボンベイ(ムンバイ)のあるマハラシュトラ州の南部にあるラトナギリ、あるいはウッタル・プラデーシュ州のラクナウ付近が有名らしい。南インドの人にしてみれば、そんな「異国」のマンゴーより、地場の品種の方がイチオシになるのかもしれない。

 人により、場所により、いろいろな好みがあるとはいえ、インドのマンゴーが一級品のおいしさであることは否定できないと思う。
 残念なのは、植物検疫の都合で生のインド産マンゴーは日本へ輸入できないこと(「アルフォンソー使用」と巷でいわれる製品は、パルプ=果肉をピューレ状にしたものやジュースで原料輸入したものだ)。インドに行って、生のおいしいマンゴーを味わうしかないわけだ。