マサラ日記     previous«  »next

9月15日(木)

 ネットのニュースに「キース・リチャーズがジョニー・デップの父親役を断る」というのがあった。
 そりゃそうだろ、そんなことありえないと考える反面、ニュースの通りに衣装合わせしたとしたら、まんざらでもなかったのかも、と妙に複雑な思いだ。ヤク中で全身の血を何度も全交換していると噂のロックオヤジ(雑誌「LEON」のようで、気持ちわるい表現だ)に、ディズニーのエンターテイメントは似合わない。

 ジョニー・デップでは、ジム・ジャームッシュの『デッドマン』が好きだ。『パイレーツ・オブ・カリビアン』は観たことないが、私にとっては別段観なくてもいい映画である。

 ストーンズの新譜を繰り返して聴いているが、予想以上にいい。
 とくにミック・ジャガーは還暦すぎとは思えない奮闘ぶり。ふつう年をとるとキーが下がり、のども開かなくなるが、そういったこととは無縁。
 キースはもちろんだが、ロン・ウッドも『ラブ・ユー・ライブ』時代並みにいいプレイをしている。どうでもいいことだが、後から入ったので、ほかのメンバーよりギャラが安いらしい。
 チャーリー・ワッツのドラムがいつになくファンキーに聴こえるのは、スネア(ドラムスの音づくりの要となるべきドラマーの真正面手前、腰あたりに位置する「小太鼓」。ふつう叩く回数が圧倒的に多いとされる)のチューニングのほか、音の録り方がうまいことにも秘密がありそうだ。もちろん、ご本人もいつも通り、妙な手グセのドラミングで頑張っている。
 曲もいいやつがそろっているので、前作のように、聴けるのはわずか1、2曲で、後を全部飛ばしたくなることもない。これでベースが、ビル・ワイマンの地味ながらブンブンしたやつだったら、代表作になっただろう。

 昼に、またもタイ料理。「クエティオ・パッタイ」という焼きビーフンだ。砕いたピーナツ、刻んだ揚げ豆腐、生のもやしやニラの食感や風味がいい。レモンをしぼって食べるとよりおいしいのも、いかにも南国的。

 夜は「きのこと揚げ、にんじん、ひじきの炊き込みご飯」をつくった。昼間はまだまだ蒸し暑いが、もう秋である。