マサラ日記     previous«  »next

9月4日(日)

 前日から泊りがけで河口湖方面へ。といってもリゾートなどではなく、地味に仕事。

 帰ってきて、夕食はベジタリアンのインド食。それも「ナーンに合う南インドカレー」という、ちょっと変わったコンセプトでつくってみる。
 冷蔵庫にあったモロヘイヤ(インドで食べたことがない)を、南インドで「keerai(キーラ、キーライなどと呼ばれる)」と呼ばれる葉っぱでつくるカレーに似せて調理してみた。
 少量のたまねぎ、にんにく、チリ、カレー・リーフ、タマリンド、ココナッツファインなどが使われている。写真ではわからないだろうが、少量ながら汁気がある。
 モロヘイヤが南インドのカレーに使えることがよくわかった。これは収穫だ。

 こちらは北インドで「ベジタブル・コルマ」と呼ばれるマイルドでリッチなカレーの南インド版、「クルマkurma」。
 フェネル・シード、シナモン・スティック、クローブ、グリーン・カルダモンなどで香りを出し、ポピー・シード、カシューナッツ、ココナッツなどでトロみとコク、うまみを出す。カイエン・ペパーやたかのつめは入れず、青唐辛子だけで辛味を出すのが基本だ。
 南インドの料理にしては食べ応えが大きく、私の師匠は「クルマはつくるけど、食べるのはキライ。ストマックにヘビーだからね」などといっていた。私は好きだ。

 これらの南インド料理に、歩いて30秒の位置にあるインド料理屋(まだ入ったことがない。メニュー構成から、おそらくベンガル系の人々がやっている店だろうと思う)から、初の試みとしてナーンとガーリック・ナーンをテイクアウトして合わせてみると、なかなかいいコンビネーション。おいしく食べられた。

 インド全般の人々にとってナーンは外食で食べるものだし(ナーンはインド人の日常的主食という日本人の認識は、大きな誤りである)、北インドのムスリムの人々にしても、近くの「ベーカリー」風ナーン屋からアツアツの焼きたてナーンを買って、自作のカレーに合わせるのがふつう。
 せっかくだから、うちもそんなインド式にあやかって、せいぜい近くのインド料理屋をナーン屋代わりに利用しようかと考えた。