マサラ日記     previous«  »next

8月28日(日)

 阿佐ヶ谷で料理講習。

 拙著『誰も知らないインド料理』等でおすすめしている「フライドオニオンを使ったチキンカレー」とほぼ同じものを、正確な形のフライドオニオンをつくらずに再現してみるのが、今回のハイライト(当サイト「シェフズ・スペシャル」の第10回に正統的なレシピを掲載)。
 4班に分かれての調理だったが、予想通り、いずれの班ともたまねぎの炒め具合が微妙に異なり、味や香り、そして何より見た目が違う。それでも、どの班を試食してみても、それぞれにおいしいのがこのスタイルのカレーのいいところだ。

 予想より時間がかかったが、その分おいしかったのがインド版ライス・プディングともいえそうな(というより、イギリス人がパクッたような気がするのだが)、ライス・キール。サフランとピスタチオ、さらには仕上げのカルダモン・パウダーがいいノリを醸し出していた。やっぱりデザートがあると全体が締まっていい。

 これまた毎回登場の「豆カレー」シリーズ。今回はフライドオニオン気味にたまねぎを仕上げ、ダールを煮込む「ダール・タルカ」の一種。いつもより濃厚な味わいの一品となった。私はこういうダールも好きだ。

 影のハイライトともいえるのが「ゴーヤーのマサラ・フライ」。クリスピーに仕上げるコツを会得していただいたとすれば、うれしいもの。シンプルだが、ディープなテクニックの調理となった。

 そのほか、私の超スピード20人分サンバル、無塩バターからつくるギー、キドニービーンズのボイル、しょうがのきいたチャイなど。北インド〜パキスタン的な中に突然サンバルが乱入するのも、我ながら、おもしろい構成だと思った。

 次回、密かに目論んでいるのが「なす特集」。秋なすをどれだけうまく食べさせられるか、乞うご期待の企画である。