マサラ日記     previous«  »next

8月26日(金)

 鶏肉のバジル炒めをランチに食べた。付け合せにクイティオ(タイの汁ビーフン)、タピオカ・ココナッツ、サラダがついて、770円とはリーズナブルだ。
 鶏肉を包丁でたたき、挽き肉状にして、それを緑や赤のピーマンなどとともに甘辛に炒めている。最後にのせる、焼くというより揚げる感じに仕上げた目玉焼きが絶妙なアクセントになっている。当然、卵をくずしながら食べるとおいしい。

 タイ料理では、タイのオイスターソース(ナム・マン・ホイ)、タイの濃い醤油(シーユー・カオ、シーユー・ダム)、ソース状の豆みそ(タオチオ)いった調味料が、ナンプラーなどとともに活躍する。
 インド料理がめんどうかつ奥深いのは、そうした調味料の役割をスパイスが果たしていることだ。さっとソースをかければいいところ、複数のスパイスを調合したり、すりつぶしたり、炒めて香りを出したりする。そこが、日本人にはとっつきにくいし、実際やってみると、たいへんだがおもしろい部分でもある。

 それにしても、東京の街にあふれるタイ料理店の多さといったら、インドカレー屋の比ではない。私がインド料理の修業をはじめた1980年代半ばには圧倒的にタイ料理店は少数派だったが、今や完全に立場が逆転している。

 インドにも、高級ホテルを中心にタイ料理店が店開きしていて、けっこうな人気ではある。しかし、インドで食べるタイ料理の大半はどこかインド的だ。