マサラ日記     previous«  »next

8月5日(金)

 昼食に、とある喫茶店に入りオムライスを食べた。外食でオムライスをオーダーしたのは数年ぶりかも。

 喫茶店に入ったのも、そしてオムライスを食べたのも積極的な意味合いではなく、同行者がおり、その人物が連れて行ってくれたのがひなびた喫茶店で、そこのランチメニューでもっとも触手が動いたのがオムライスだったまでである。
 
 オムライスは、家でもたまにつくる。ふだん、市販のソース、ケチャップ、ドレッシング、そしてマヨネーズはいっさい使わない我が家だが、このときばかりはケチャップを買ってくる。オムライスには、ケチャップ味のチキンライスがもっとも似合うと考えるからだ。
 ホールトマトなどを使い、炊き込みスタイルのチキンピラフをつくって、そこからオムライスに仕上げることもあるが、やっぱり、できあがりには上からケチャップをかける。茶色いデミソース系ではなく、シンプルに真っ赤なケチャップ。味はもちろん、ビジュアル的にもその方がオムライスに合うと思っている。

 そういえば、インド人はケチャップ好きである。バーガーぽいものやそこに添えられるフライドポテト、オムレツ、サンドウィッチ、フライドチキンなど、インド式西洋料理(ジャンク系?)メニューには、よくケチャップが登場する。
 さらには、たとえば、いわゆる「チャット屋」といわれる、街場の各種インド式軽食屋で供される「チャナ・マサラ」などにも、ケチャップを入れて炒め煮されたものがあったりする。
 私のレパートリーにも、ゆでたひよこ豆やポテト、刻んだ赤たまねぎなどをミント、香菜、青唐辛子をきかせたグリーン・チャトニ、チャット・マサラなどとともにケチャップで和えるスナックメニューがある。ケチャップを使わないとおいしくない、特殊なインド料理だ。典型的なインド屋台の味がして、おいしい。

 喫茶店で食べたオムライスは、予想通り、たいしておいしくなかった。ただ、刻んだゴーヤーがご飯や鶏肉といっしょに炒められていたのが、意外で、いいアイディアだと思った。ゴーヤー入りのオムライス、あるいはゴーヤー入りチキンライスとは、この暑い時期にぴったりである。