マサラ日記     previous«  »next

8月4日(木)

 朝の6時から仕事。さすがにネムい。で家に帰ったのが午後6時半前。健全な一日だ。

 荷物を置いて近くの本屋に行き、「酒とつまみ」最新号を買う。いつもながら、笑える記事のオンパレードで心がなごむ。全編に漂う心地よい脱力感がいい。いっしょに買った「たのしい中央線」(太田出版)も同様の脱力感とアホらしさが楽しそうだ。

 外から戻ったつれあいと、彼女がつくったラタゥイユとビール、枝豆などで夕食。あまりの暑さでグロッキー気味のためか、主食系の料理は胃が受けつけず、ほぼ割愛である。
 ラタトゥイユがバカうま。ナス、赤と黄色のパプリカ、完熟トマトなどのほか、きゅうりが入っているが、これが意外なくらいにおいしい。こうなるとズッキーニは不要だ。全体的にあまり煮込まず、かくし味にワインビネガーの酸味を使っているのが正解と見た。

 酢といえば、こんな猛暑の時期にはビネガーを使ったカレー、たとえばポーク・ビンダルーがおいしい。酢とゴマなどのペーストで白身魚の切り身を煮込む南インドのカレーも絶品だ。

 とはいえ、私の場合、あまり暑いと、生理的にはノンベジのカレーよりベジタリアンのメニューにより心惹かれる。
 南インドだったら、おいしいサンバルかラッサム、それに酸味のきいたトマトのチャトニ、主食はポンガル、ウプマ、ドーサ、イドゥリあたり(意味のわからない語については私の本か、当サイトのどこかに出ています)。北だったら、ポテトの香味炒めをサンドして鉄板でモチッと焼いた全粒粉の薄焼きパン「アル・パラタ」に野菜のライタ、あるいはポテトだけのシンプルなカレーにプーリなど。もとはボンベイ名物のパオバジ(マッシュポテトとトマトのカレーに、バターたっぷりのバンズを添えた軽食)などもいいな。

 とにかくあまり根を詰めないこと。それが猛暑を乗り切るコツだろう。レイドバック(もともとは70年代のサザン・ロックを象徴する語。リラックスしてユルいが、ヌルくはない。そんな心と体の状態を指す。オールマン・ブラザース・バンドの「ランブリン・マン」あたりが代表曲か)して、ユルく行こう。