マサラ日記     previous«  »next

7月12日(火)

 仕事の都合でサルサについてあれこれ調べてみる。音楽ではなく、食べものの方だ。

 サルサはスペイン語の「ソース」であり(イタリア語でも)、とくにメキシコでは煮込んだドロドロのものを指すのではなく、生の香味野菜をメインにしたフレッシュな食感のものをいう。それがメキシコ移民のアメリカ流入とともに、アメリカの食文化に根づき、それが日本に伝来した。
 サルサがソースだから、「サルサソース」といってしまうと「馬から落馬した」とおなじ誤用になるらしい。

 などという、そんなこと前から知っているよ、というような事柄をツラツラあらためてチェックしつつ、「サルサにはやっぱり香菜(メキシコやテックス・メックス系料理ではシアントロという)がかかせないな」などと考えた。

 トルティーヤ・チップスにピリッとスパイシーなサルサ。それだけで暑い日などはビールがすすむ。
 
 以前、西荻窪の店でも、サルサは定番的に仕込んでいたが、必ず香菜を加えるようにしていた。たまにアボカドのワカモーレもつくったが、そちらにも香菜を忍び込ませていた。もちろんカレー、チャトニ類など、インド料理にも相当な量の香菜をこれでもかと入れていた。おそらく私がいたその店は、日本有数の香菜使用量の飲食店だったと思う(今でも、香菜がないと、とくにインド料理をする気が失せる瞬間がある)。

 以前、ペルー料理の店に行ったら、黄色い唐辛子と香菜をすりつぶしたソースで煮込んだチキンを出されて、それがえらくおいしかった覚えがある。中南米料理に香菜は大活躍である。

 サルサの基本はトマトと辛い唐辛子、そしてきつめの塩(自然塩や粗塩がおすすめだ)とレモンやライム。あれば絶対に香菜は入れたい。よくよく考えれば、これはインドのスパイシーなトマト・チャトニとおなじようなセッティングである。どちらもおいしいトマトの出回るこれからの季節、ぜひ楽しみたいメニューだ。