マサラ日記     previous«  »next

7月11日(月)

 お盆間近ということで、近くのスーパーでも、お供物などお盆関連の商品が売られていたりする。ふだんあまりそういうことに関連なさそうな生活をしているのが大方の東京人の実態だろうが、見ていると、けっこうな数の人々がそうした品を手にとったり、買ったりしている。ちょっとホッとする光景でもある。

 インドをはじめとする国々、それに沖縄などではご先祖様を敬う習慣が連綿と息づいている。たいそうな宗教心など持ち合わせない者にしても、そんな現場に居合わせると、スッと背筋がのびるような気分になったりする。

 家にあるジャスミンの花が咲き出した。何となく、お盆に合わせるようなタイミングで気持ちがいい。

 そんなことをいっているわりに食事はノンベジな毎日なのが、日本人である。

 昔、インドのさるお宅にうかがって、すごくおいしいチキン・マサラをさんざんごちそうになった後、「これからどこに行くの?」と聞かれ、「ヒンドゥ寺院にお参りに行こうかなと思っている」と答えたら、ちょっと笑われた。地元のヒンドゥ人にとって、お寺というのは基本的に殺生は抜き、清い心身でうかがう場所なのである。

 ふだんなかなかそんなことを考えもしない日本人のわれわれだが、この時期、精進揚げなど食べて、少しはベジタリアンな気分に浸るといいだろう。