マサラ日記     previous«  »next

6月20日(月)

 夕食にてっとりばやいものをと考え、タイのグリーンカレーをつくる。もちろんペーストは既製品で、今日は鶏肉、ピーマン、筍、しめじを入れた。バイマクルー(こぶみかん)などのハーブは手持ちがなかったので割愛した。

 つくったことのある方はおわかりだろうが、タイの「ゲーン」はカレーと訳されるが、いわゆるカレーという感じではない。何しろ煮込まないのだから。

 煮込まなくていいのは、ベースとなるペーストをあらかじめきっちりとつくってあるからだろう。インドのカレーの場合、なべの中で調理しながらペーストに当たるものをつくりあげていく過程があるから、当然、その分長い時間が必要となる。

 昔は、我が家でもタイのカレーペーストは手づくりしていたが、いつのまにか、市販品を買ってすませるようになっている。今考えれば、よくつくっていたなあ、という感じでもある。

 そういえば、ここ数年来、インドの大都市だと「タイ料理」がトレンドのひとつになっている。タイ料理店もデリーやボンベイ、マドラスに少なくない。

 ただし。中華料理やメキシコ料理と同じで、タイ料理にしてもインド風なアレンジがなされていることが多い。東京で食べるようなタイ料理を期待して行くと、微妙な違和感にさいなまれること請け合いだ。

 以前「タイ風ジャングルカレー」というのをマドラスで食べた。ネーミングだけで頼んだようなものだが、やっぱりねえ、みたいな感じだった。オリジナル料理として楽しんだのは、いうまでもない。