マサラ日記     previous«  »next

6月17日(金)

 朝食に「えぼ鯛の干物」を食べていて、気づいたことがある。昔からそんな気がしていたが、えぼ鯛には変わった香りがあるように思うのだ。ある種のクセというか、そんな感じのものであって、はっきりどんなものかはいい切れない。しかし、とにかくほかの魚にはないほのかな香りを感じるのである。

 私の好きな料理書に『魚味礼讃』(関谷文吉著 中公文庫ほか)というのがある。浅草の老舗寿司屋のご主人が書いた本だが、昔はじめて読んだ際、「魚の生命は香りだ」というフレーズに唸らされた。まったくその通りだと思う。

 香りというか、においの強い魚の加工品で思い出すのは、くさや。私、大好きなのだが、家では焼かない、というか、焼くのにかなりの勇気が要る。で、けっきょく断念し、外の飲み屋などで頼んだりする。

 で、えぼ鯛についてサーチしたら、「えぼ鯛と混同されるのがバター・フィッシュ」なんてことが書いてあった。ということはバターフィッシュの干物を「えぼ鯛」と間違えている可能性もあるわけだ。バターフィッシュはマナガツオの仲間らしいが、私が食べたのはマナガツオっぽくもなかった。とにかく今度、えぼ鯛を食べるときは、よくチェックしてみたい。