マサラ日記     previous«  »next

6月13日(月)

 前日ほど暑くないという天気予報に反して、やたらと暑い。しかも夕立でも降りそうな雲もときに見え隠れして、どうもはっはりしない。電車に乗ってみればかさを持つ人もちらほら。私には、いやな季節である。

 打ち合わせの合間に新宿の紀伊国屋書店本店をブラブラ。

 一階の新刊コーナーでは、場所柄もあってか『伊勢丹な人々』が眼を引く。アパレルを中心としたマーケティング論として話題の一冊だが、私自身、伊勢丹は好きなデパートだが食品売り場以外あまり縁がないので、今ひとつ触手が伸びない。

 書名につられて手にとった森永博志氏の『ドロップアウトのえらいひと(正&続)』は予想通り、ちょっとクサいいいまわしが多く、若い読者にはウケるだろうが、ドロップアウトだがえらくない人間からすると、あまりスリルがない。

 上の階の料理書売り場で自著があるのをチェックし、さらに上の階で洋書を眺める。といっても、やはりメインはもっぱら料理本。
 で、印象的だった一冊が『wagamama cooking』。ロンドンやヨーロッパ各地、あるいはドバイで展開しているアジア系ヌードル・バーのレシピ本のようだ。写真やレイアウトがカッコよく、そのクセ料理自体は限りなくまがいものくさい。そのギャップが麺好きの日本人の脳裏に強いイメージを残す。
 私はwagamamaなる店には行ったことないのだが、きっとのび気味のramenを食べさせてくれそうな気がする。

 この本に限らず、洋書の料理本には独特のスマートさがあって、唸ることが多い。最近は日本の料理本にもデザイン的に頑張っているのがあるが、総じていえば、外国の料理本のスタイリッシュさにはまだまだ及ばない感じだ。
 
 結局、wagamamaの影響か、オイスターソースとナンプラー、香菜などで味つけした焼きそばに、買ってきた「ワタリガニの唐揚げ」などで夕餉、そしてビール。蒸し暑い代わりに、冷たいビールのひと口めがいかにもおいしい季節でもある。