6月7日(火)
本日は音楽の話。
パリスのファーストなどとともに、最近よく聴くロックのCDのひとつが『キャプテン・ビヨンド』のファーストアルバム。
ディープ・パープルの初代ボーカル、ロッド・エバンスがアメリカに渡って結成した、ちょっと変わったスタイルの音楽を演るバンドで、日本でも隠れファンが多い。
このバンド、音楽的なカギを握っていたのがドラマーのボビー・コルドウェル。同姓同名で甘いAORシンガーがいたが、まったくの別人だ。
この人、もともとジョニー・ウィンターのバンド出身。中でも『ジョニー・ウインター・アンド・ライブ』という名盤では、冒頭からドカドカと独特の自信たっぷりな感じのドラミングを披露している。
キャプテン・ビヨンドは曲のリズムや構成がはっきりいって変態的なのだが、全曲このボビー氏がボーカルのエバンスさんといっしょに書いているためにそうなったという説が濃厚。少なくともディープ・パープルのようなわかりやすさは微塵もなく、とにかく全編トリッキー、曲づくりのセンス自体かなりイケている。
ツェッペリンとは異なる方向で異端なハード・ロックといえよう。
けっしてメインストリームになれない点では、ものすごくおいしいゴア・フィッシュ・カレーの専門店みたいなものだが、その個性と音楽性は際立っている。ロックがほんとうにクリエイティブな音楽として輝いていたころの一枚だ。