マサラ日記     previous«  »next

6月6日(月)

 新大久保でイスラームのケララ人がやっているというアジア系食料品店で先週買った「骨付きマトン」で、マトンカレーをつくってみた。
 すると、今まで使っていた「骨付きラム」よりも味や食感がよく、肉の量も多い。こりゃあ使えるなという感じで、次回からはここで買おうと思う(ちなみに、この店には「骨なしマトン」もあるそうだ)。

 イスラームのケララ人がやっているというのは、私の師匠がそういっていたからで、実際、その店で店主(らしき人物)に聞いてみたわけではない。事実、友人が行ったときはミャンマーの人が店番していたという話もある。

 ただ、私が店に行ったとき、「コリアンダーのホールはありますか」とたずねたら、「コッタマリはここ」といわれた。
 コリアンダーをコッタマリとかコタマリというのはタミルやケララの人だから、たぶんそうなのだろう。なつかしいいい方だなと思った。

 食べものの呼称で出身がわかったりするのは、日本でも同様だ。
 今はどうだかわからないが、私が小学校の頃、関西の大阪や神戸で飴のことを「飴ちゃん」、いもや豆のことを「おいもさん」「お豆さん」と呼んでいたのを覚えている。大好きだった吉本の新喜劇でも(岡八郎とか花紀京、船場太郎、原鉄男、アゴ十郎とかが全盛期。間寛平などはまだ超若手だったし、チャーリー浜は浜裕二という芸名だった)、役者さんのセリフによくそんなのがあって、当時、神奈川の平塚から兵庫県の尼崎に引っ越したばかりの私にはかなりショッキングだった。よくよく考えれば、食べものの軽視を戒め、尊敬を込めたいい方なのだろうが、当時、関西の人は変わっているな、と思っていた。
 ほかにも、ヒレ肉をヘレ肉、肉まんをぶたまんと呼ぶなど、東京と大阪では食文化のみならず、食べものの名前にも違いがある。

 これからしばらくするとおいしくなるとうもろこし、これをとうきびと呼ぶのは主に北海道の人だけかと思っていたが、九州や沖縄などでもそういうそうだ。知らなかった。沖縄だと、とうきびとさとうきびで紛らわしいような気もするが。