マサラ日記     previous«  »next

5月6日(金)

 テレビで仕入れたインド・ネタ2題。
 
 デリーで路上放置された牛の捕獲開始だという。画面を見ると角やら首に縄をつけて引っ張り、無理矢理牛をトラックに載せようとする男たちの姿が映し出されていた。ふだん牛はヒンドゥの神様であるとして大事にするにしては、打って変わってずいぶんと手荒なやり方が印象的だった。

 大事にするとはいったものの、一方では、路上の八百屋で商品の野菜を食おうとしている牛を店番のおばちゃんが棒でひっぱたいて追い払っているのを見ることもある。神様ったって、いろいろな対応があるわけだ。

 愛知万博(まったく行く予定なし。あのあたりは中学高校のころ住んでいたが、いい思い出がない)で、インド館の調理人ふたりが行方不明だという。きっとよりよいギャラを求めて、日本国内をさ迷っていることだろう。私にとっては妙にリアルな話題である。

 別のお話。
 トウバンジャンやテンメンジャンを使わないのが本場の麻婆豆腐ということを、以前よりいろいろなところで聞き、実際そんなレシピの一品を食べて感動したりしていた。で、ここのところ、そうした味の再現を繰り返していたのだが、今日、つくったのはなかなかの出来映え(ただし具材はナスだったが)。ようやくコツをつかんだ感じだ。
 こうしたメニューだと中国料理とインド料理のメカニズムはよく似ている気がする。中華のジャンに相当するのがインドのマサラで、トウバンジャンとかテンメンジャンなどの既製品がインドにはないため、それから手づくりするのが大きな違い。後のプロセスにはけっこう共通点が多い。中国の炒め物はサブジやポリヤル的でもあるし、煮込みはカレーやマサラっぽい。
 インドの人にとって中国料理が近しいのもうなずける感じだ(ただし、インドで食べる中華料理の多くはインド式チャイニーズだが)。