マサラ日記     previous«  »next

4月18日(月)

 名著『ゴーゴー・インド』以来、その著作を愛読させていただいている蔵前仁一氏の主宰する雑誌が『旅行人』だ。最近では月刊から季刊になり、より分厚く、また読み応えもたっぷりとなって、うれしい限りである。

 その『旅行人』最新刊(25日発売)の特集が「アジア・カレー大全」。森枝卓士氏、前川健一氏というアジアの食文化、とりわけカレーを語る上で達人・名人といわれる二大巨頭ほか名うての執筆陣に混じって、私もインド亜大陸のカレーについて少し書かせていただいた。自分が書いているとかではなく、カレーとしてアジア好きとしての純粋な気持ちから「買い」の一冊だと、あえて申し上げておこう。

 晶文社から『カレーな薬膳』を出させていただいたときも、学生時代から長年大好きだった出版社からの上梓だっただけに(あの植草甚一氏の各著作から『ジャニス ブルースに死す』などまで、つくづくスゴい本の目白押しだ)、感激でいっぱいだったが、今回の『旅行人』執筆にも似たような個人的感慨がある。

 ちなみに、インド関係の学術者の方々にいわせると、東京大学出版会と岩波書店で本を出せると一人前という意識が高いらしい。各業界の老舗とはさまざまである。